かばん・袋物製造になるには
別名: かばん製造工, かばん縫製工, 袋物製造工, 袋物縫製工
天然皮革、合成皮革、布などの材料を加工して、かばん、バッグや財布、名刺入れなどの袋物(ふくろもの)を作る。
仕事内容
袋物の製造は、商品のデザイン、見本・型紙作り、材料の裁断と加工、縫製と仕上げの4つの工程に分かれる。一般的に袋物製造の仕事という場合は、裁断・加工と縫製・仕上げの工程をさす場合が多い。
裁断の工程では、デザインに合わせて作った型紙通りに、プレス機やナイフ、ハサミを用いて、皮革や布などの材料を裁断する。キズやムラのある所を避けながら、材料に無駄が出ないように切り取る。次に加工の工程では、縫製の準備として、主材料が皮革の場合には縫製しやすいように部分的にはがす革漉き(かわすき)という作業を、布や毛皮、ニットを使う場合には不織布などで裏打ちを施す作業を行う。
縫製の工程では、各パーツ、ファスナーや止め金具、裏地などを合わせ、工業用ミシンや手作業で縫って製品の形にする。縫製後の仕上げでは製品をチェックしたり、表面の汚れを除いたり、磨きやつや出しを行ったりする。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
プレス機、ナイフ、ハサミ、工業用ミシン、裁断機
主な業務
- 新しい製品を企画・デザインする。
- 試作品を作成し、必要に応じて仕様書を修正する。
- デザイン画や仕様書をもとに、パーツごとに型紙を作る。
- 皮やその他の材料に、染色、ペイント、打ち出しなどの加工をする。
- 皮革や布などの材料を、プレス機、ナイフ、はさみで型紙に沿って裁断し、部品をつくる。
- 皮革材料を縫製しやすくするために、革漉き(かわすき)をする。
- 布や毛皮、ニットなどの材料は、不織布などで裏打ちを施す。
- 部品や裏地、ファスナーなどを工業用ミシンや手縫いで縫い合わせ、製品を組み立てる。
- 製品を装飾するために穴を空けたり縫ったりして付属品をとりつける。
- カリパス、巻き尺、定規を使用して、指示や仕様書を読んで品物を測定する。
- 製品を良品と不良品とに見分ける。
- 製品の表面の汚れを取り除いたり、磨いてツヤを出したりして仕上げる。
- 製品を梱包し、納品する。
- 袋物の壊れた箇所を確認し、工具などを使い、新しい部品と交換する。
- 手やミシンで破れを縫ったり継ぎを当てて、袋物を修繕する。
- 材料を調達し、管理する。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。入職後は、まず熟練を必要としない作業に従事し、上司や先輩からマンツーマンの指導を受けながら、材料や加工方法などについて知識を身につけていくのが一般的である。
縫製作業においては、布の場合は2~3年、皮革の場合は5~7年ほどで一人前になるといわれている。縫製作業が一人前になれば、独立・開業も可能である。
勤勉さ、注意深さ、指先の器用さが求められる。また、商品のデザイン等を手掛ける場合は、色・柄を含めた美的センス、デザインやスケッチから実物をイメージできる空間判断力も必要となる。
この仕事で働く人は、高卒の人が多いと答えています。 job tag がそれぞれの職業で働く人に行った調査(複数回答)によるものです。働く人の実感を示すもので、それぞれの学歴の人の割合ではありません。
給与 · 求人の状況 · AIとこの職業
- 平均年収:¥4,105,900 民間企業だけ(常用労働者10人以上の事業所)の数値です。公立学校の教員や警察官などの公務員は含まれません。
- 月の所定内給与(残業代と賞与を除く):中央値は¥243,700で、中間の半数の人は月¥206,200〜¥299,700です。
- 賃金構造基本統計調査の職種「その他の製品製造・加工処理従事者(金属製品を除く)」の数値です
- ハローワークの有効求人倍率は1.70倍です(2025年)。 将来の予測ではなく、いまの求人の状況を示す数値です。ハローワークに登録された求人と求職者だけを数えたもので、大卒や専門職の採用の多くはハローワークを通りません。
- 国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
労働条件の特徴
勤務先はかばん・袋物の製造事業所は10人以下の事業所が全体の約9割を占める等、比較的小規模な事業所が多い。地域的には首都圏の事業所(東京、神奈川、千葉、埼玉)で約半数を占めている。従業員の男女比はやや女性が多い(2021年時点*1)。
雇用形態、賃金、労働時間等の労働条件は、職場によって異なり、社内の規定による。
シーズンに合わせて新製品を出すため、繁閑の差がある。立ち作業の工程と腰掛け作業の工程があり、裁断機やミシンなどによる多少の騒音や振動がある。
かばん・袋物は流行の変化が激しく、同じ製品を機械で大量生産することは少ないため、製品の出来は製造する者の技能による部分が大きい。
2023年度の国内のかばん・袋物の市場規模(小売金額ベース)は消費者の外出機会などコロナ禍以前に戻り、購入頻度とともに需要も回復した。加えて、インバウンド需要が拡大したことで、市場規模は前年度を上回る結果となった。ただし、鞄の原材料や燃料費の高騰等による商品単価の全体的な上昇などによる影響もある。今後の懸念材料としては、商品価格の値上げや物価高による買い控えの進行などが想定される。(*2)。
*1総務省2021経済センサスから
*2株式会社矢野経済研究所 「鞄・袋物市場に関する調査(2025年)」(2025年3月26日発表)から
注.「ビジネス鞄」や「旅行鞄」「ハンドバッグ」などに加え、参入企業が展開している「財布・革小物類」「ベルト」も含む。
関連する職業
よくある質問
かばん・袋物製造になるにはどうすればいいですか?
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。入職後は、まず熟練を必要としない作業に従事し、上司や先輩からマンツーマンの指導を受けながら、材料や加工方法などについて知識を身につけていくのが一般的である。
日本でのかばん・袋物製造の収入はどのくらいですか?
民間企業での平均年収は、賞与を含めて¥4,105,900です(厚生労働省)。 この数値は、いくつかの職業を含む賃金構造基本統計調査の職種「その他の製品製造・加工処理従事者(金属製品を除く)」のものです。
かばん・袋物製造になるには学位が必要ですか?
通常は必要ありません。この職業が属する国勢調査の職業分類で大卒以上の人は19%にとどまります。
AIによってかばん・袋物製造の仕事は変わりますか?
国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
出典
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」令和7年、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 総務省統計局「令和2年国勢調査」抽出詳細集計、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)職業情報データベース ダウンロードデータ(解説系 ver.7.01、簡易版数値系 ver.7.00)、職業情報提供サイト(job tag)、2026年10月4日取得
- International Labour Organization, Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure (ILO Working Paper 140, Gmyrek et al.)(ILO Working Paper 140, May 2025, Annex Table A1)、CC BY 4.0、2026年10月4日取得
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ(IPD_DL_description_7_01.xlsx)ver.7.01 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ(IPD_DL_numeric_7_00.xlsx)ver.7.00 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を加工して作成
出典:総務省統計局「令和2年国勢調査」を加工して作成
出典:文部科学省「令和7年度学校基本調査」を加工して作成
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」を加工して作成
出典:総務省「日本標準職業分類(平成21年12月告示)」
2026年10月4日更新
