染色工/染色設備オペレーターになるには
別名: 織物染工, 糸染工, 浸染工, スクリーンなっ染工, 染物職, なっ染工, 友禅染工
各種の染料、薬品などを用いて、機械装置により、糸や織編物(おりあみもの)に染色整理加工(染色と仕上げ)を行う。
仕事内容
糸や織編物は、綿、羊毛などの天然繊維や、レーヨンなどの化学繊維、ナイロン、ポリエステルなどの合成繊維を原料としており、染色整理加工ではこれらの原料に最終用途にあわせた色柄をつけたり、表面を平滑にしたり、手触りをよくするなどの物理的・化学的な処理を施すことから、それぞれ異なった機械や薬品が使用される。
染色工程は、生地を一色に染める無地染と、一色又は多色を使って柄染をする捺染(なっせん、プリント)に分けられる。シャツなどのポリエステル織物の無地染では、まず染色機に一定量の水を入れ、機械を始動させ、前工程の精練漂白を終えた生地を機械に入れ、あらかじめ設定しておいたプログラムで自動運転に切り替える。染料と薬品を計量しておくと、自動的に染料と薬品が投入されて、染色が行われる。
染色が終わると、サンプルをチェックして、洗浄に移り、染色加工の最終仕上げとして、防縮(縮みを防ぐ)加工、光沢やつや出し加工、防炎加工等、また最近では撥水加工、撥油加工、吸汗加工、しわ加工、起毛加工、コーティング・ラミネート作業なども施されている。
最後に検査工程で生地をチェックし、不良部分を取り除く。
糸の染色整理加工工程も同様に、精練、漂白、水洗を経て、染色、水洗という順に作業が進められる。毛織物の染色整理加工の場合は、「縮絨性(しゅくじゅうせい)」という毛が縮む性質があるため、特別の方法が必要で、染色工程よりも整理加工工程に重点があるのが特徴である。
これらの作業は、現在では大部分が電子制御の機械で処理されているが、加工後の微妙なタッチなどは、目や手で判断することも染色の担当の大切な仕事である。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
機械装置、染色機
主な業務
- 仕様書に従って染料と薬品を計量する。
- 自動で染色をする機械に一定量の水を入れ、機械を始動する。
- 精錬漂白工程の終わった生地を機械に導き入れ、生地の初めと終わりを結び合わせ、機械のハッチを閉じる。
- プログラムに沿った自動運転に切り替え、計量しておいた染料と薬品を溶解タンクに入れ、所定量の水で溶解させておく。
- 染色終了後、サンプルを切り取り、色が正常かどうかのチェックをする。
- サンプルが正常であれば、続けて自動的に洗浄をするために機械を操作する。
- 防縮加工、つや出し加工、防炎加工などの整理加工を自動的に行う機械を操作・監視する。
- 染色終了後、生地を結び合わせた部分を解いて、引き出し用のローラーを通しながら取り出す。
- オーバーマイヤーの中のカゴに糸の束を入れる。
- オーバーマイヤーの中で精練・漂白・染色・水洗をするために、染料液や薬剤の入った液をポンプで循環させる装置の運転を監視する。
- 水洗が済んだ糸をカゴごと乾燥装置に移す、またはオーバーマイヤーの中でそのまま乾燥させる。
- 染色品検査をして良品、不良品を分ける。
- 試験染めをする。
- 一連の染色工程を行う産業用ロボットの操作・監視をする。
- さまざまな生地に柄をつけるプリント作業をする。
- 刷毛を使って多色染めやぼかしを施す。
- 防染のため、布に糊を塗る(糊置き)。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。新規学卒者は、業務のデジタル化やメカトロニクス化の進展等により仕事が労働集約型から知識集約型に変わりつつあり、大卒者等も入職している。求人は学校やハローワークなどを通じて行われる。中途採用もある。生産現場で多くの化学薬品や機械設備を使用するので、化学系や機械系の学科を専攻し、それらの知識を身につけていれば有利になる。
染色整理加工は、素材や色、手触りなどが重要な要素であり、コンピュータ制御が発達した現在でも感性の領域までの制御はできず、微妙な調整をするためには経験を積む必要がある
関連資格として、厚生労働省が定める技能検定の「染色技能士」があり、資格を取得すると技能の証明として評価される。
化学や素材に関する深い知識に加えて、コンピュータによってプログラム化された染色作業を制御するための技術も必要である。最終的な調整部分では、人間の美的感覚が必要とされ、ファッションやテキスタイルデザイン等の知識も求められる。
この仕事で働く人は、高卒または大卒の人が多いと答えています。 job tag がそれぞれの職業で働く人に行った調査(複数回答)によるものです。働く人の実感を示すもので、それぞれの学歴の人の割合ではありません。
就き方
- 専門学校・短大・高専・技能検定: 技能検定 job tag がこの仕事に挙げている技能士の等級:1級染色技能士、2級染色技能士。技能検定は職業能力開発促進法に基づく国家検定です。
給与 · 求人の状況 · AIとこの職業
- 平均年収:¥3,193,800 民間企業だけ(常用労働者10人以上の事業所)の数値です。公立学校の教員や警察官などの公務員は含まれません。
- 月の所定内給与(残業代と賞与を除く):中央値は¥198,300で、中間の半数の人は月¥175,800〜¥246,400です。
- 賃金構造基本統計調査の職種「紡織・衣服・繊維製品製造従事者」の数値です
- ハローワークの有効求人倍率は1.86倍です(2025年)。 将来の予測ではなく、いまの求人の状況を示す数値です。ハローワークに登録された求人と求職者だけを数えたもので、大卒や専門職の採用の多くはハローワークを通りません。
- 国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
労働条件の特徴
就業者は男性が6割強を占めている。就業形態は正社員が多い(2021年時点1*)。
事業所は、全国に広がっており、特に近畿、東海、北陸地方に比較的多い(2021年時点2*)。就業者は高齢者が多い。60代以上の者については技術伝承の面においても活躍している。
勤務形態は企業によって異なり、昼間勤務が多いが、2交替制(早番、遅番)、3交替制(24時間)が基本のところもある(2019年時点3*)。また、賃金、労働時間等の労働条件も、職場によって異なり社内規定による。
外国製繊維製品の輸入の増大や、技術革新に伴う染色整理加工工程の自動化により、染色工の労働需要は減少が予想される。一方で、高級品への生産の移行やコンピュータによる生産・品質・情報の管理やオペレーションが進むことにより、機械や情報処理の知識と感性を持った人材が求められると考えられる。
なお、従来の染色手法とは異なるが、コンピュータ制御によるインクジェットでのデジタル捺染(なっせん:布地に模様の印刷をする)も普及してきている。
(1*)(2*)総務省2021経済センサスから
(3*)取材結果から
関連する職業
よくある質問
染色工/染色設備オペレーターになるにはどうすればいいですか?
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。新規学卒者は、業務のデジタル化やメカトロニクス化の進展等により仕事が労働集約型から知識集約型に変わりつつあり、大卒者等も入職している。求人は学校やハローワークなどを通じて行われる。中途採用もある。生産現場で多くの化学薬品や機械設備を使用するので、化学系や機械系の学科を専攻し、それらの知識を身につけていれば有利になる。
日本での染色工/染色設備オペレーターの収入はどのくらいですか?
民間企業での平均年収は、賞与を含めて¥3,193,800です(厚生労働省)。 この数値は、いくつかの職業を含む賃金構造基本統計調査の職種「紡織・衣服・繊維製品製造従事者」のものです。
染色工/染色設備オペレーターになるには学位が必要ですか?
通常は必要ありません。この職業が属する国勢調査の職業分類で大卒以上の人は9%にとどまります。主な就き方:技能検定。
AIによって染色工/染色設備オペレーターの仕事は変わりますか?
国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
出典
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」令和7年、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 総務省統計局「令和2年国勢調査」抽出詳細集計、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)職業情報データベース ダウンロードデータ(解説系 ver.7.01、簡易版数値系 ver.7.00)、職業情報提供サイト(job tag)、2026年10月4日取得
- International Labour Organization, Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure (ILO Working Paper 140, Gmyrek et al.)(ILO Working Paper 140, May 2025, Annex Table A1)、CC BY 4.0、2026年10月4日取得
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ(IPD_DL_description_7_01.xlsx)ver.7.01 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ(IPD_DL_numeric_7_00.xlsx)ver.7.00 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を加工して作成
出典:総務省統計局「令和2年国勢調査」を加工して作成
出典:文部科学省「令和7年度学校基本調査」を加工して作成
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」を加工して作成
出典:総務省「日本標準職業分類(平成21年12月告示)」
2026年10月4日更新
