物流設備管理・保全になるには
別名: 機械保全工, 工場設備保全員, プラント保全工, エレベーター修理工, 業務用空調機器修理工, 昇降機修理工, 包装機械修理工, 冷凍装置修理工
自動化、大型化が進む物流倉庫の設備の管理・保全を行う。
仕事内容
自動化、大型化が進む物流倉庫の設備の管理・保全を行う。マシンキーパーなどと呼ばれることもある。
物流の世界は現在、大きな変革期にある。3PLの進展などで物流業務の総合化、グローバル化が進展する一方で、ECの利用者増などを受けて物流倉庫の大型化が急ピッチで進んでいる。これに伴って、物流の自動化の動きも顕著で、機能が多能化したさまざまな設備機器を少ない人員で稼働させている。このため、物流機器を安定的に稼働させ、機能を維持するための管理、点検、保守活動の重要性が高まっている。
設備保全の方法には、故障した機械を修理して稼働できるようにする事後保全(故障発生の都度修理)と機械の点検、修理、部品交換などを計画的に実施する予防保全(故障する前に実施)がある。
設備の管理・保全の仕事を具体的な作業内容からみると、次の5種類に集約できる。
「定期的保全」は、出荷設備の機能を最善の状態に保持しながらその使用年数を最大限に保つために、日常の仕事として計画を立てて定期的に行う。
「受入検査」は、各種の機械や器具、部品などを購入又は受け入れる際に、物流センターの受入基準に合致しているかどうかを検査する。
「故障箇所の修復」は、運転中の機械が何らかの原因によって故障を起こした場合に、その修復に当たる。故障の原因には色々なケースが考えられるので、そうした原因を分析し、同じ種類の故障が繰り返されることがないよう事前の対策を講じる。
「機具、部品、用材の管理」は、機械の部品や保全に必要な機具、用材などの保管や手入れを行い、保全作業が効率よく行えるように日頃から管理する。
「据付、組立、調整」は、機械設備を新設・増設・更新する場合や技能者養成のための実施訓練の場合などに行われる。実際の作業は機械の納入業者やメンテナンス会社に依頼し、物流企業側は確認だけを行う場合が多い。
仕事を1日の流れでみると、物流センターでの勤務はほとんどが交代制であり、早番の場合は、機械が稼働開始前に出勤して、物流設備が稼働していない時にしかできない、コンベアベルトやモーターなどの点検・交換を行う。設備稼働後は、構内を廻って、機械が動いている時の状況を点検する。異音などの異常がないか自分の目や耳で確認、さらに現場から上がってくる異常報告に対応して、自社でできる範囲の修理・点検は自社内で行い、状況に応じて設備メーカーなどに依頼する。現場を廻るだけでなく、修理用備品の在庫管理と発注、現場改善の企画提案の作成なども行う。必要な備品の在庫状況に注意を払う。必要な事務作業を行い、遅番に引き継ぐ。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
パソコン、作業中の保護具(ヘルメット、マスク、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
主な業務
- 設備・装置の定期点検をする。
- 機械の注油などメンテナンスをする。
- 軽微なライン停止の復旧をする。
- 装置や機械の清掃をする。
- 点検結果の記録と業務報告をする。
- コンベアなどの部品の交換をする。
- 構内を回って、異常がないか点検をする。
- 現場からの突発的なトラブル発生報告に対応をする。
- 大きな故障の場合はメーカー等に連絡をする。
- 不具合のあった機械を分解し、問題点を検討する。
- 修理用備品の在庫管理、発注をする。
- 荷物の確認や捜索を行う。
- 性能向上や現場改善の提案をする。
- 生産遂行や品質を管理する。
- 動力設備を操作する。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、機械工学系出身者が多い。新卒採用は少なく、機械関係の経験者の中途採用が多い。一定レベルの現場対応を行えるようになるまでは1年以上の経験が必要とされている。
キャリアパスとしては、設備管理・保全の専門職として技能を高める道とマネジメントに進む道がある。
資格が必要な業務もあり、例えばクレーンの操作をする場合には、クレーン特別教育や技能講習を受けなければならない。関連資格として、厚生労働省の定める技能検定の「機械保全技能士」や、民間資格の「自主保全士」がある。
設備の稼働状況に気を配り、不具合や故障を自分で判断できるスキルやノウハウが必要である。また、物流センターは様々な年代の人が働いており、多くの関係者と連携するためチームワークが重要であり、コミュニケーション能力が求められる。
この仕事で働く人は、高卒または大卒の人が多いと答えています。 job tag がそれぞれの職業で働く人に行った調査(複数回答)によるものです。働く人の実感を示すもので、それぞれの学歴の人の割合ではありません。
就き方
- 専門学校・短大・高専・技能検定: 高等専門学校(高専) job tag の調査では、この仕事で働く人の17%が高専卒の人が多いと答えています。2025年3月に高専を卒業して「生産工程の職業」に就職した人は112人でした(令和7年度学校基本調査 第109表)。; 技能検定 job tag がこの仕事に挙げている技能士の等級:特級機械保全技能士、1級機械保全技能士、2級機械保全技能士。技能検定は職業能力開発促進法に基づく国家検定です。
- 国家資格・免許: job tag がこの仕事の関連資格として挙げている資格です:小型移動式クレーン運転技能者。
給与 · 求人の状況 · AIとこの職業
- 平均年収:¥5,711,800 民間企業だけ(常用労働者10人以上の事業所)の数値です。公立学校の教員や警察官などの公務員は含まれません。
- 月の所定内給与(残業代と賞与を除く):中央値は¥306,000で、中間の半数の人は月¥251,700〜¥375,300です。
- 賃金構造基本統計調査の職種「はん用・生産用・業務用機械器具・電気機械器具整備・修理従事者」の数値です
- ハローワークの有効求人倍率は4.09倍です(2025年)。 将来の予測ではなく、いまの求人の状況を示す数値です。ハローワークに登録された求人と求職者だけを数えたもので、大卒や専門職の採用の多くはハローワークを通りません。
- 国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
労働条件の特徴
職場は倉庫や物流センターであり、陸上輸送の場合は幹線道路沿い、水上輸送の場合は港湾地域に立地している場合が多い。
就業者は男性がほとんどである。年齢的には40代以上が多い。
賃金、労働時間等労働条件は、勤務先の規定による。
物流センターは交替制勤務がほとんどであり、早番と遅番などのシフト制で勤務する。土日勤務もある。突発的なトラブルで残業が生じることがある。また、繁忙期は残業が多くなる傾向がある。
最近は物流センターにもファシリティマネジメントの考え方が普及し、機械の稼働状況や状態監視、異常内容等をデータ化(見える化)することで様々なデータ解析を行うことが可能となっている。さらにはAIも活用することができ、故障を予知して対応する「予知保全」が取り入れられ、倉庫機能強化、省人化、DR(災害復旧)などの研究が進展している。
関連する職業
よくある質問
物流設備管理・保全になるにはどうすればいいですか?
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、機械工学系出身者が多い。新卒採用は少なく、機械関係の経験者の中途採用が多い。一定レベルの現場対応を行えるようになるまでは1年以上の経験が必要とされている。
日本での物流設備管理・保全の収入はどのくらいですか?
民間企業での平均年収は、賞与を含めて¥5,711,800です(厚生労働省)。 この数値は、いくつかの職業を含む賃金構造基本統計調査の職種「はん用・生産用・業務用機械器具・電気機械器具整備・修理従事者」のものです。
物流設備管理・保全になるには学位が必要ですか?
通常は必要ありません。この職業が属する国勢調査の職業分類で大卒以上の人は21%にとどまります。主な就き方:高等専門学校(高専)、技能検定。
AIによって物流設備管理・保全の仕事は変わりますか?
国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
出典
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」令和7年、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 総務省統計局「令和2年国勢調査」抽出詳細集計、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)職業情報データベース ダウンロードデータ(解説系 ver.7.01、簡易版数値系 ver.7.00)、職業情報提供サイト(job tag)、2026年10月4日取得
- International Labour Organization, Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure (ILO Working Paper 140, Gmyrek et al.)(ILO Working Paper 140, May 2025, Annex Table A1)、CC BY 4.0、2026年10月4日取得
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ(IPD_DL_description_7_01.xlsx)ver.7.01 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ(IPD_DL_numeric_7_00.xlsx)ver.7.00 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を加工して作成
出典:総務省統計局「令和2年国勢調査」を加工して作成
出典:文部科学省「令和7年度学校基本調査」を加工して作成
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」を加工して作成
出典:総務省「日本標準職業分類(平成21年12月告示)」
2026年10月4日更新
