船舶機関士になるには
船舶の機関部で機関員を指揮しながら、エンジン(主機関)、発電機、ボイラー、その他の各種機器の管理を行う。
仕事内容
航海中は、機関制御室で各種計測装置から状況や記録を監視し、航海に支障がないよう努める。定期的に機関室を見回って、主機関や発電機などの回転音、冷却水や潤滑油の温度・圧力をチェックして、音や数値に異常がないことを確認する。また、計画されている保守整備作業なども行う。
異状発生時には、直ちに応急処置をとるとともに、その原因を調べ、機関長に状況を報告する。荒天や非常事態の場合には、所定の位置について船長や機関長の指示に基づいて行動する。自らの判断で緊急に取った措置については、すぐに機関長に報告する。
停泊中は、主機関、発電機、ボイラーなどの整備を行い、燃料や備品・消耗品を補給して次の航海に備える。航海中の機器運転管理の他に、整備計画を立案し、その時々の状況に応じて必要な点検整備、故障箇所の修理を行う。
最も安全に気を使う出入港時は、所定の配置につき、主機関や関連する補助機械類が船長の指示に対し確実に対応するように機関室全域を点検する。
大型の船舶では機関長を含めて複数の機関士が同乗しており、機関長は機関部の最高責任者として責任を負い、他の機関士を指揮する。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
計測装置、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
主な業務
- 航海中は、航海に支障がないよう機関制御室で各種計測装置を監視する。
- 所定の時間に機関室を巡回し、機関部分の運転の点検をする。
- 機関の運転に関する計測記録を分析し、機関故障の防止に努める。
- 異常が認められた場合には、応急処置を取り、原因を調査して機関長に報告する。
- 停泊中に主機関、発電機、ボイラーを整備する。
- 燃料・備品・消耗品を補給して次の航海に備える。
- 出入港時や悪天候の時には、所定の配置に就き、機関長の指示にしたがって機関の正常運転を維持する。
- 定期修理の計画を作成する。
なるには
船舶機関士になるには、海技従事者国家試験に合格して、海技士(機関)免許を取得する必要がある。
一般的には、旧商船大学(現在は東京海洋大学と神戸大学)、商船高等専門学校、海上技術の学校等に進学し、各種の機関・機器に関する理論と実技両面について所定の修業年限を積んだ後、在学中又は卒業後に乗船実習を航海訓練所や学校所属の練習船で行う。大型の船舶に乗るには上級の免許が求められ、それに応じた乗船経験も必要となる。
船上では船長を中心とした秩序が大切であり、規律を守ることが求められる。また、機関員を指導し、チームワークを作り上げるリーダーシップも必要となる。騒音や気温の変化などの厳しい作業環境や不規則な勤務形態の他、時差がある場合もあり、このような環境での仕事に耐えられる体力と忍耐力が求められる。
この仕事で働く人は、専門学校卒または高卒の人が多いと答えています。 job tag がそれぞれの職業で働く人に行った調査(複数回答)によるものです。働く人の実感を示すもので、それぞれの学歴の人の割合ではありません。
就き方
- 専門学校・短大・高専・技能検定: 高等専門学校(高専) job tag の調査では、この仕事で働く人の20%が高専卒の人が多いと答えています。2025年3月に高専を卒業して「輸送・機械運転の職業」に就職した人は158人でした(令和7年度学校基本調査 第109表)。
- 国家資格・免許: job tag がこの仕事の関連資格として挙げている資格です:海技士(機関)免許。この仕事に就くには必要です(job tag の「就くには」をもとに Peernovo が判断)。
給与 · 求人の状況 · AIとこの職業
- ハローワークの有効求人倍率は0.76倍です(2025年)。 将来の予測ではなく、いまの求人の状況を示す数値です。ハローワークに登録された求人と求職者だけを数えたもので、大卒や専門職の採用の多くはハローワークを通りません。
- 国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
労働条件の特徴
船は港を出ると次の港まで休みなく稼働し、港に着いた後も荷役を行いながら必要な補給を行うため休みが取りにくい。このため、下船するとまとまった休暇がとれる制度が一般的に採用されている。例えば、外国航路などでは8~9月乗船し3~4ヶ月休みをとるといった形態が一般的である。
航海中は、所定の時間で交替勤務を行うのが一般的だが、出入港時や緊急時には船長の命令によって労働時間外でも配置につき、作業を行う。以前と比べて、作業環境は大幅に改善されており、機関制御室で計器類を監視し、遠隔操作を行うことが多くなっている。就業者はほとんど男性である。また、外航船では外国人船員と一緒に船に乗り、働くことが多い。
給料は会社の規定によって定められており、基本給の他に、時間外手当や特殊作業手当などが支給される。また、職務外疾病(健康保険相当部分)及び船員労働の特性に応じた独自・上乗せ給付は船員保険が適用される(平成22年から、船員保険の一部は一般の労災保険制度及び雇用保険制度に統合されている。)。
船舶運航の自動化などに伴い、一つの船舶の運航に要する船員数が少なくなっているが、機関士には高度な技術と知識が求められるようになっている。また、船員としての経験を活かして、陸上勤務を行うこともある。
よくある質問
船舶機関士になるにはどうすればいいですか?
船舶機関士になるには、海技従事者国家試験に合格して、海技士(機関)免許を取得する必要がある。
船舶機関士になるには学位が必要ですか?
通常は必要ありません。この職業が属する国勢調査の職業分類で大卒以上の人は13%にとどまります。主な就き方:高等専門学校(高専)。
AIによって船舶機関士の仕事は変わりますか?
国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
出典
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」令和7年、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 総務省統計局「令和2年国勢調査」抽出詳細集計、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)職業情報データベース ダウンロードデータ(解説系 ver.7.01、簡易版数値系 ver.7.00)、職業情報提供サイト(job tag)、2026年10月4日取得
- International Labour Organization, Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure (ILO Working Paper 140, Gmyrek et al.)(ILO Working Paper 140, May 2025, Annex Table A1)、CC BY 4.0、2026年10月4日取得
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ(IPD_DL_description_7_01.xlsx)ver.7.01 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ(IPD_DL_numeric_7_00.xlsx)ver.7.00 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を加工して作成
出典:総務省統計局「令和2年国勢調査」を加工して作成
出典:文部科学省「令和7年度学校基本調査」を加工して作成
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」を加工して作成
出典:総務省「日本標準職業分類(平成21年12月告示)」
2026年10月4日更新
