機械設計技術者になるには
別名: 液晶ディスプレイ(LCD)設計技術者, 回路設計技術者, テレビ設計技術者, 電子機器設計技術者, 電動機設計技術者, エンジン設計技術者, 金型設計士, 建設機械設計技術者, 航空計器設計技術者, 工作機械設計技術者, 産業用ロボット設計技術者, 精密測定工具設計技術者, 土木機械設計技術者, 農業用機械設計技術者, 半導体製造装置設計技術者, ボイラー設計技術者, バスボディー設計技術者, 航空機設計技術者, 船舶設計技術者, 造船技術者(開発), 鉄道車両設計技術者
市場の様々なニーズに応え、最新の技術を駆使して、機械製品を開発・設計する。
仕事内容
設計の対象となる機械には、車から産業用機械まで多岐にわたる。製造業には機械製品の部品を作る企業もあれば、消費者向けの製品を作る企業もある。
仕事は、まず顧客の要望を確認し、社内、関係会社との共有、すり合わせを行う。類似品の調査なども平行して行い、コンセプトの設定、使用可能な技術、資材、部品を考え、製図ソフトや解析ツールを用いてシミュレーションを繰り返しながら基本的な仕様を考案する。シミュレーションではコストや安全性、環境への配慮を総合的に勘案し、実現可能性を検討しなければならない。多くの場合、試作品を制作して検証する。仕様が固まると量産化を前提とした設計図を引き、設計図自体が実現可能かどうか、ミスがないかのチェックも重要な業務である。
特に近年は、顧客の多様なニーズに応えるため徹底したカスタマイズが求められることも多い。また、ユーザー目線を重要視した“使いやすさ”を基調とする製品開発が主流になりつつある。IoTやAI(人工知能)などを駆使し、故障を未然に防いだり、稼働停止時間のゼロ化を目指す開発も行われるようになっている。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
製図ソフト、シミュレーション解析ツール、プレゼン資料作成ソフト(PowerPoint、Keynote等)、設計用ソフト(CADのソフトウェア等)、パソコン
主な業務
- 顧客の要望を確認する。
- 社内、関係会社と情報を共有してすり合わせを行う。
- 機械のコンセプトを考える。
- 類似製品がないか調査を行う。
- 使用可能な技術、資材、部品を考える。
- 製図ソフトや解析ツールを使ってシミュレーションを行う。
- 下調べやシミュレーションの結果を踏まえ、基本的な仕様を決定する。
- コスト、安全性、環境などの面から実現可能性を重視したシミュレーションを行う。
- 必要であれば試作品を制作して検証を行う。
- 量産化を前提とした設計図を引く。
- 実現可能な設計図であるか、ミスはないかをチェックする。
- 機械設計者、他部署のメンバーとの連携ミーティングで情報の共有を図る。
- 製品の見積りを算出する。
- 他の技術者に、設計技術を指導し、伝承する。
- 不具合があれば、原因を分析し、対策する。
- 各種法令や、JIS、ISOなどの規格に反していないかを確認する。
- 組立、動作確認、輸送、据付等において支障が無いか、生産技術者からフィードバックを受ける。
- 運転上の危険を防止するのためのインターロックを掛ける。
- 外注先に設計の指示を出し、進捗を管理する。
- 電気制御疑術者と協働し、シーケンス制御される運転方案を作成する。
- 工学等の知識や、世界の技術動向を収集する。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、新卒採用の場合は材料力学、機械力学、流体力学、熱力学の4力学に加えてメカトロニクス、制御工学など広範な知識が求められるため高専卒、大学、大学院卒などがほとんどである。
入職後は、勤続年数やスキルに応じた教育研修が行われることも多い。設計する機械に応じた研修を行う企業もある。
昇進・キャリアアップとしては、図面を引き、一定の提案ができる若手時代を経て、チームのリーダーになる。リーダーは、図面、試作品の機能チェックや製品で発生したトラブルの対処法をアドバイス・指導する。次いで、計画に基づいて人員の配置や資金の計画・管理など職場の切り盛りを責務とするマネジャーになり、その後は商品戦略及び開発計画と各種業務の調整・管理を任務とするゼネラルマネジャーに昇進していく場合もある。管理職層に進む他に、優れた知識や技能を活かし機械設計のスペシャリストとなる道もある。
一人前と認められるには、一般的には入社後5~10年程度かかるとされる。
資格や免許は特に求められないが、仕事に直結する制度や法律に対する理解と知識は重要である。品質表示法はじめ電気用品安全法や電波法、有害物質規制法などは、関連法として特に重要視されている。また、海外顧客への輸出に関してはWEEEやRoHsなど各種指令を念頭に置いて機械設計を行わなければならない。
機械設計技術者は分野ごとに専門化が進んでいるため、複数の開発担当者や営業担当者とのチーム作業がベースとなる。従って、機械設計に必要となる知識・スキルの他に顧客の要望を理解しカスタマイズされた商品を開発、設計するための理解力、コミュニケーション能力が求められる。海外の顧客や取引先とやり取りをするための語学力が必要とされることも多い。
この仕事で働く人は、大卒または大学院修士課程修了の人が多いと答えています。 job tag がそれぞれの職業で働く人に行った調査(複数回答)によるものです。働く人の実感を示すもので、それぞれの学歴の人の割合ではありません。
就き方
- 大学: 工学の学位, 日本の95校の大学で開講
- 専門学校・短大・高専・技能検定: 高等専門学校(高専) job tag の調査では、この仕事で働く人の17%が高専卒の人が多いと答えています。2025年3月に高専を卒業して「製造技術者(開発)」に就職した人は421人でした(令和7年度学校基本調査 第109表)。; 専門学校:機械(工業関係) 専修学校の「機械」の課程は、2024年度の卒業生が366人で、そのうち266人が関連分野に就職しました(令和7年度学校基本調査 第237表)。課程と職業の対応付けは Peernovo によるものです。
給与 · 求人の状況 · AIとこの職業
- 平均年収:¥6,590,400 民間企業だけ(常用労働者10人以上の事業所)の数値です。公立学校の教員や警察官などの公務員は含まれません。
- 月の所定内給与(残業代と賞与を除く):中央値は¥343,100で、中間の半数の人は月¥276,700〜¥440,500です。
- 賃金構造基本統計調査の職種「機械技術者」の数値です
- ハローワークの有効求人倍率は1.93倍です(2025年)。 将来の予測ではなく、いまの求人の状況を示す数値です。ハローワークに登録された求人と求職者だけを数えたもので、大卒や専門職の採用の多くはハローワークを通りません。
- 国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
労働条件の特徴
勤務先は機械設計メーカー、機械設計専門会社である。製造業が集積している地域で就業することが多い。
就業者は、男性が多数を占めている。就業者は正社員が多い。また、就業者の中核となっているのは30代~50代の世代で、およそ7割がこの年代で占められている。
賃金は月給制がほとんどで、大学院卒の比率が高いため、新卒入職者の初任給は比較的高い。収入は比較的安定しているが、業界の特性として市況の影響を受けることもある。日本機械設計工業会が実施している「機械設計技術者試験」の資格取得者に資格手当を支給している企業もある。
休日は土日完全週休2日制が多いが、土日に限定しない形の週休2日制を採る企業もある。その他、夏季休暇、年末年始の特別休暇制を実施している企業も少なくない。取引先の要望や依頼によって残業時間が多くなることもある。
開発拠点が限られているため転勤はあまりないが、海外に営業拠点がある企業では営業サポートの目的から海外勤務するケースもある。
関連する職業
よくある質問
機械設計技術者になるにはどうすればいいですか?
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、新卒採用の場合は材料力学、機械力学、流体力学、熱力学の4力学に加えてメカトロニクス、制御工学など広範な知識が求められるため高専卒、大学、大学院卒などがほとんどである。
日本での機械設計技術者の収入はどのくらいですか?
民間企業での平均年収は、賞与を含めて¥6,590,400です(厚生労働省)。 この数値は、いくつかの職業を含む賃金構造基本統計調査の職種「機械技術者」のものです。
機械設計技術者になるには学位が必要ですか?
多くの場合は必要です。この職業が属する国勢調査の職業分類では、働く人の66%が大卒以上です。
AIによって機械設計技術者の仕事は変わりますか?
国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
出典
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」令和7年、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 総務省統計局「令和2年国勢調査」抽出詳細集計、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)職業情報データベース ダウンロードデータ(解説系 ver.7.01、簡易版数値系 ver.7.00)、職業情報提供サイト(job tag)、2026年10月4日取得
- International Labour Organization, Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure (ILO Working Paper 140, Gmyrek et al.)(ILO Working Paper 140, May 2025, Annex Table A1)、CC BY 4.0、2026年10月4日取得
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ(IPD_DL_description_7_01.xlsx)ver.7.01 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ(IPD_DL_numeric_7_00.xlsx)ver.7.00 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を加工して作成
出典:総務省統計局「令和2年国勢調査」を加工して作成
出典:文部科学省「令和7年度学校基本調査」を加工して作成
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」を加工して作成
出典:総務省「日本標準職業分類(平成21年12月告示)」
2026年10月4日更新
