施設警備員になるには
別名: 駅警備員, 空港警備員, 刑事施設警備員, 守衛, 倉庫警備員, ビル警備員, 夜警員
警備会社に雇用され、顧客の事務所や工場、商業施設などに常駐等又は巡回により、事故や火災、不法侵入などの防止、早期発見、事故の対応を行う。
仕事内容
警備会社に雇用され、顧客の事務所や工場、商業施設などに常駐等又は巡回により、事故や火災、不法侵入などの、防止、早期発見、事故の対応を行う。
警備業法では、警備業務を1号業務(施設警備、巡回警備、保安警備、空港保安警備、機械警備)、2号業務(交通誘導警備、雑踏警備)、3号業務(貴重品運搬警備、危険物運搬警備)、4号業務(身辺警備)に分けている(*1)。
施設警備は1号業務に属し、主な業務としては防災監視、防火設備の日常巡視、防犯監視、巡回、受付・入退出管理、郵便小包受領検査、鍵の管理、非常事態への対応などがある。
警備会社は民間企業であり、そこに勤務する警備員は法令により、警察官のような公的権限は付与されていない。そのため原則として命令や尋問をしたり、他人の権利や自由を侵害するような行動をとることはできないとされている。認められているのは依頼主から委託を受けた施設管理権と、私人としての現行犯逮捕権のみである。ただし、警備員が身の危険を感じるような状況も想定されるため、警備会社が公安委員会に届出て許可を得た最低限の護身用具(警戒棒、警戒杖、刺股、カラーボール等)を携帯し、正当防衛の範囲内で使用することはできる。
*1 一般社団法人 全国警備業協会 ホームページより
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
護身用具(警戒棒、警戒杖、刺股、カラーボール等)
主な業務
- 施設の入退出を管理する。
- 新規の来訪者に、立ち入り、持ち込み、撮影等の制限や、退出時刻等についての説明を行う。
- 施設案内や安全の確保、不審な行動の監視等のため、来訪者の移動に同行する。
- 防災、防犯のために施設内を巡回する。
- 防火設備やセンサーが正常に作動しているか、所定の手順で確認する。
- 異常を発見した場合は、内容により常駐先の担当者や警備保障会社の担当者、警察、消防等に連絡、通報を行う。
- 出火やガス漏れ等の非常事態発生時には、初期消火や避難誘導等の対応を行う。
- 不審者を発見した場合は、声掛けや退去要請を行う。
- 不法侵入者、窃盗犯、器物損壊犯等の発見時は、警察が到着するまでの間、可能な範囲で警告、介入を行う。
- 警察や消防、救急車を誘導する。
- 何らかの非常事態が起きた場合、対応完了後に、発生状況や対応内容等について報告書(レポート)を作成する。
- 施設各所の鍵(セキュリティーカード)を管理する。
- 拾得物を預かり、管理する。
- 簡易書留等の郵便物や宅配便を預かり、所定の場所に保管する。
- 不審な郵便物や宅配便が届いた場合、受領検査を行う。
- 退勤時に、その日の業務について業務日誌を書く。
- 交替時に情報を共有し、仕事の申し送りを行う。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、警備業法によって、18歳未満の未成年者、破産宣告を受けている人、刑務所から出所して5年未満の者、暴力団員、アルコールや覚醒剤などの中毒者などは就くことができない。
新卒で入職するには、警備会社に入社して、施設警備担当として配属(若しくは他部門に配属後異動)される経路が一般的である。
入職後は、警備業法で定める20時間以上の新任教育を受けたあと、警備員登録を経て、各社が実施している業務別教育、OJT、Off-JT(職場外研修)を経て警備員として勤務することになる。関係法令に関する知識の習得の他、護身用具を使った身の守り方、火災発生に備えた消火器の使用方法、心肺蘇生法を含む応急救護等の実践的な技能に係る訓練も受ける。
なお、現任者については半年ごとに8時間以上の現任教育を受け、勤務に就くことが警備業法で義務づけられている。
警備会社では、ジョブローテーションにより幅広い経験を積ませて、幹部候補生として育てる傾向が強くなっている。しかし、警備業界でも人手不足状態が続いており、中途採用の求人も多い。別業界から転職した未経験者は、新卒入職者と同じく新任教育などの研修を受けた後、現場に配属される。
警備員の仕事に関連する資格には、都道府県公安委員会の「警備員指導教育責任者」、「施設警備業務検定」などの公的資格のほか、全国警備業協会が定める「セキュリティプランナー」などの民間資格がある。現場で経験を積みながら、こうした資格を取得して専門性を高めていくことが、キャリアアップにつながる職業である。
警備員の適性としては、法令等を遵守するコンプライアンス精神と、人の生命や財産を守るという責任感、また、迅速かつ的確な判断力、行動力が求められる。
この仕事で働く人は、高卒の人が多いと答えています。 job tag がそれぞれの職業で働く人に行った調査(複数回答)によるものです。働く人の実感を示すもので、それぞれの学歴の人の割合ではありません。
就き方
- 国家資格・免許: job tag がこの仕事の関連資格として挙げている資格です:警備員検定試験(1級)、警備員検定試験(2級)、施設警備業務検定1級、施設警備業務検定2級。
給与 · 求人の状況 · AIとこの職業
- 平均年収:¥3,799,400 民間企業だけ(常用労働者10人以上の事業所)の数値です。公立学校の教員や警察官などの公務員は含まれません。
- 月の所定内給与(残業代と賞与を除く):中央値は¥229,400で、中間の半数の人は月¥201,100〜¥266,300です。
- 賃金構造基本統計調査の職種「警備員」の数値です
- ハローワークの有効求人倍率は6.55倍です(2025年)。 将来の予測ではなく、いまの求人の状況を示す数値です。ハローワークに登録された求人と求職者だけを数えたもので、大卒や専門職の採用の多くはハローワークを通りません。
- 国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
労働条件の特徴
警備業法第4条に基づく認定業者数は、全国に10,811業者であり、このうち警備員数が100人未満のものが全体の90.2%を占めている。警備員総数は58万7848人、そのうち女性は4万3077人であり、全体の7.3%となっている。
年齢構成をみると、60代が15万3111人で全体の26.0%、70代が12万2919人で20.9%であり、両社で全体を半数近くを占めている。(2024年時点*2)。
給与は警備会社によって異なるが、配置された施設が就業場所となる。勤務時間は担当する施設によって異なり、日勤だけのところもあれば、24時間稼働する工場などでは「日勤」「夜勤」「昼夜勤」の三交代制をとっているところもある。
職業としての将来性については、警備を必要とする施設は多く、社会的なセキュリティ意識の高まりもあり、安定的な需要が見込まれる。
ただし、警備の世界でもICTなど先端技術を活用した省力化が進んでおり、ロボットやドローンを使った巡回警備の自動化、更にAIを使った顔認識も実用段階に入っている。今後は、高い専門性を備えた人材のニーズが高まっていくと見込まれる。
*2 警察庁生活安全局生活安全企画課 令和6年における警備業の概況
よくある質問
施設警備員になるにはどうすればいいですか?
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、警備業法によって、18歳未満の未成年者、破産宣告を受けている人、刑務所から出所して5年未満の者、暴力団員、アルコールや覚醒剤などの中毒者などは就くことができない。
日本での施設警備員の収入はどのくらいですか?
民間企業での平均年収は、賞与を含めて¥3,799,400です(厚生労働省)。 この数値は、いくつかの職業を含む賃金構造基本統計調査の職種「警備員」のものです。
施設警備員になるには学位が必要ですか?
必ずしも必要ではありません。この職業が属する国勢調査の職業分類では、働く人の26%が大卒以上です。
AIによって施設警備員の仕事は変わりますか?
国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
出典
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」令和7年、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 総務省統計局「令和2年国勢調査」抽出詳細集計、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)職業情報データベース ダウンロードデータ(解説系 ver.7.01、簡易版数値系 ver.7.00)、職業情報提供サイト(job tag)、2026年10月4日取得
- International Labour Organization, Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure (ILO Working Paper 140, Gmyrek et al.)(ILO Working Paper 140, May 2025, Annex Table A1)、CC BY 4.0、2026年10月4日取得
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ(IPD_DL_description_7_01.xlsx)ver.7.01 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ(IPD_DL_numeric_7_00.xlsx)ver.7.00 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を加工して作成
出典:総務省統計局「令和2年国勢調査」を加工して作成
出典:文部科学省「令和7年度学校基本調査」を加工して作成
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」を加工して作成
出典:総務省「日本標準職業分類(平成21年12月告示)」
2026年10月4日更新
