溶接工になるには
別名: 金属溶接設備オペレーター, 金属溶断設備オペレーター, 溶接ロボットオペレーター
熱を利用して金属材料を接合する溶接を行う。
仕事内容
溶接は、その接合の仕方により「融接」、「圧接」及び「ろう接」に分類される。
ここでは最も広く利用されている融接について記載する。被溶接材(母材)の接合しようとする部分をガス炎、アーク、電子ビーム、レーザーなどの熱を用いて加熱し、母材と溶加材(溶接棒、ワイヤなど)を融合させてできた溶融金属を凝固させて接合する方法である。この接合方法では、アーク熱を利用して行うアーク溶接が最も一般的で、超高層ビル、工場や住宅などの建築物、橋、タンクや容器、ガスや石油などのパイプライン、船、発電設備などを作るときの金属材料の接合に利用されている。
溶接方法としては手溶接、半自動溶接、自動溶接がある。
手溶接の場合は、溶接棒を溶接棒ホルダにはさみ、適正な溶接電流、電圧などを調整して、これを接合する金属材料に接触させるとアークが発生し、溶接棒と金属材料が溶融するので、溶接棒を手で動かす(運棒)ことで溶接を行う。
半自動溶接の場合は、溶接棒の代わりに自動的に送給されるコイル状のワイヤを溶接トーチにつないで溶接を行う。
自動溶接の設備を用いる場合には、設備を運転、操作して電熱・電撃・ガスの炎などを利用した金属の接合、切断の工程の監視、調整を行う。
溶接によって製作した製品は、検査を行って溶接部の内部に欠陥がないか調べ、溶接部の性能を確認して品質の確保を行う。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
溶接棒、溶接棒ホルダ、溶接トーチ、自動電撃防止装置、工具(手動工具、電動工具)、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
主な業務
- 溶接棒を溶接トーチにつなぎ、溶接電流、電圧を調節する。
- 溶接棒を溶接トーチにつなぎ、接合させる金属材料に接触させる。
- 溶接棒と金属材料を溶融させた状態で、接合ラインに沿って溶接トーチを手で動かす(運棒)。
- 溶接棒が溶融したら新しいものに取換える。
- 溶接棒の代わりにコイル状に巻いたワイヤを溶接トーチにつないで溶接を行う。
- 溶接部に欠陥がないかを、溶接部を引っ張ったり曲げたりする破壊検査を行って調べる。
- 溶接部の内部に欠陥がないかを、放射線や超音波を使った非破壊検査で調べる。
- 自動溶接機や溶接ロボットの設定・材料供給・監視などを行う。
- ステンレス、鉄、アルミ、真鍮を加工するためガス溶接を行う。
- トーチのノズルを掃除する。
- 周囲に注意しながら、クレーンを操作する。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。工業系の高校等を卒業後入職することが多い。公共職業訓練校等で技能を身につけてから入職する場合もある。他の職業からの中途採用もある。新規学卒者は、学校、ハローワークの紹介がほとんどである。中途採用は、ハローワーク、新聞、求人広告等で行われている。
アーク溶接やガス溶接を行う場合には、法律に定められた講習等を修了することが必要である(「アーク溶接作業者」、「ガス溶接作業者」)。また、実務経験3年以上で受けられる「ガス溶接作業主任者」がある。
関係団体が認定する「溶接作業技能者」、「溶接作業指導者」の資格もある。工場認定あるいは官公庁における工事発注の際の、設計や品質管理の責任者となるには「溶接管理技術者」が必要である。
一般に重量物を製作し、かがみ作業、立ち作業などもあり体力が必要である。また、常に安定した気持ちで仕事を続けられる忍耐力も重要である。特に運棒のために腕の器用さや視力がよいことも求められる。
この仕事で働く人は、高卒の人が多いと答えています。 job tag がそれぞれの職業で働く人に行った調査(複数回答)によるものです。働く人の実感を示すもので、それぞれの学歴の人の割合ではありません。
就き方
- 国家資格・免許: job tag がこの仕事の関連資格として挙げている資格です:ガス溶接作業主任者。
給与 · 求人の状況 · AIとこの職業
- 平均年収:¥4,547,200 民間企業だけ(常用労働者10人以上の事業所)の数値です。公立学校の教員や警察官などの公務員は含まれません。
- 月の所定内給与(残業代と賞与を除く):中央値は¥266,200で、中間の半数の人は月¥219,600〜¥321,800です。
- ハローワークの有効求人倍率は1.99倍です(2025年)。 将来の予測ではなく、いまの求人の状況を示す数値です。ハローワークに登録された求人と求職者だけを数えたもので、大卒や専門職の採用の多くはハローワークを通りません。
- 国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
労働条件の特徴
勤務先は、造船、自動車、車両、重電機メーカーなどの製造業、ビルディングや橋のような鉄骨構造物を建設する建設業などである。就業場所は全国に広がっている。就業先の企業形態も、大企業から中小企業まで様々である。
賃金、労働時間等労働条件は勤務先の規定による。
就業者の年齢層は幅広い。男性の割合が高いが、近年女性も増えてきている。
溶接では、電気やガスを使用するためその取扱い、特に感電や排気などに注意する必要がある。最近では、自動電撃防止装置の開発・普及により、感電事故がなくなるなど、作業環境の改善が進んでいる。工場内の作業の他に、建築現場、土木工事現場では、足場の上など狭い所や高所での溶接作業もある。
よくある質問
溶接工になるにはどうすればいいですか?
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。工業系の高校等を卒業後入職することが多い。公共職業訓練校等で技能を身につけてから入職する場合もある。他の職業からの中途採用もある。新規学卒者は、学校、ハローワークの紹介がほとんどである。中途採用は、ハローワーク、新聞、求人広告等で行われている。
日本での溶接工の収入はどのくらいですか?
民間企業での平均年収は、賞与を含めて¥4,547,200です(厚生労働省)。
溶接工になるには学位が必要ですか?
通常は必要ありません。この職業が属する国勢調査の職業分類で大卒以上の人は5%にとどまります。
AIによって溶接工の仕事は変わりますか?
国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
出典
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」令和7年、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 総務省統計局「令和2年国勢調査」抽出詳細集計、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)職業情報データベース ダウンロードデータ(解説系 ver.7.01、簡易版数値系 ver.7.00)、職業情報提供サイト(job tag)、2026年10月4日取得
- International Labour Organization, Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure (ILO Working Paper 140, Gmyrek et al.)(ILO Working Paper 140, May 2025, Annex Table A1)、CC BY 4.0、2026年10月4日取得
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ(IPD_DL_description_7_01.xlsx)ver.7.01 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ(IPD_DL_numeric_7_00.xlsx)ver.7.00 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を加工して作成
出典:総務省統計局「令和2年国勢調査」を加工して作成
出典:文部科学省「令和7年度学校基本調査」を加工して作成
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」を加工して作成
出典:総務省「日本標準職業分類(平成21年12月告示)」
2026年10月4日更新
