電気技術者になるには
別名: 電気設備設計技術者, 電気機器生産技術者, 電気機械製造技術者
電気設備や機器の技術開発や改良、安全な運転のための保守・管理、更新工事などをする。
仕事内容
電気には強電と弱電がある。強電は、装置や機器を動かす動力源としての電気(電力)を対象とし、強電分野の代表的な機器・設備としては発電設備、受変電設備、電灯設備などがある。弱電は電気的な信号を伝えたり、その信号によって機器を制御するもので、弱電分野の代表的な機器は電話などの通信機器やテレビなどである。
電気技術者の代表的な職場のひとつである発電所では、発電機や発電施設などの設計、運転の管理、新しく開発された素材など発電機の材料に関する分析や試験などを行っている。工場では発電機の組み立て、発電施設の建設現場においては、工程や建設の状況などを確認し、作業員に対する技術的な指導を行い、施設を稼動させて発電を行う場合には、専門的な知識に基づき、安全かつ効率的に電気を供給できるように技術的な調整や作業員に対する指導などを行う。施設の改良に関する技術的な助言を行うこともある。
電気技術者の具体的な仕事内容を、鉄道会社を例にみると、鉄道会社では、受変電、電車線、照明などの鉄道用の各種設備の新設・改修計画や保守計画の策定、施設の補修や設備の故障への対応、老朽化した電気設備の改修などが主な仕事となる。変電区もしくは変電部門では、電力会社から受電した特別高圧電力を構内の変電所で変圧して、列車運行や駅の照明などに適した電気に変換して各駅に供給する。変電所内の電気設備すべての保守管理・修繕も仕事の一環である。
鉄道関係の電気設備を担当する電機区もしくは電力部門では、列車に電気を供給する架線をはじめ、駅の電気設備などの点検整備のほか、設置工事や更新工事も行う。検査はまず目視で異常の有無を確認するため、トンネル内の歩行や、電車の運転席に添乗し点検する。とくに架線はパンタグラフが常に接触しているため摩耗しやすいこともあり、現場で実際にはしごに乗って観察、測定器具で計測・チェックする。トロリ線は摩耗したら張り替えなければならないが、これは電車が走らない夜間の停電中に行うことになる。守備範囲が広く、幅広い知識やスキルが求められる。
信通区もしくは信通部門では、列車の進路を振り分ける転てつ機や、列車運行速度を制御するATC(Automatic Train Control)など、列車の運行に直接関わるものから、駅の案内表示板や駅係員が使用するインターホン、構内放送設備まで多彩な設備を保守管理し、設備の施工時には工事の監督もする。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
はしご、測定器具、表計算ソフト(Excel、Googleスプレッドシート等)、パソコン
主な業務
- 電気設備や機器の設計をする。
- 電気設備や機器の仕様書を作成する。
- 自動制御盤の設計や製作をする。
- 専用機の制御設計を行う。
- 配電部分や、電気回路を設計する。
- 新規設備の配線ルートを構築し、敷設する。
- 電気施設の建設現場で工程や建設の状況を確認し、作業員に指導する
- 電気設備の運転を監視し、運転作業員に指導をする。
- 特別高圧受変電設備を定期的に点検する。
- 電柱などの支持物もボルトの緩みなどがないか点検する。
- 不具合の原因を調査する。
- 施設補修や設備・機械の故障対応をする。
- 使用品の故障状況を確認し、顧客に予防保全の提案をする。
- 老朽化した電気設備のリニューアルをする。
- 規定以上に摩耗が進んでいる場合は、その部分を新しい線に張り替える。
- 受変電設備・電車線設備・照明設備など鉄道設備の設計・修繕をする。
- 重電機器の修理や販売を行う。
- 測定機器(マイクロメータ)を使って計測を行う。
- 測定されたデータの管理や判定をする。
- 企業や家庭の発電設備から電力会社のネットワークへの接続(連系)を検討する。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、工業高校、理工系の専門学校、大学・大学院等で電気・電子工学を専攻して入職するケースが一般的である。
勤務先は、電力会社や鉄道会社、変圧器・配電盤・制御装置等の重電機器や変電設備などを製造する電気機器メーカー等が多い。入職後は、新人研修、配属先での専門研修を受けてから現場に出て、実務経験を積みながら知識やスキルを習得する。実務に就いてからも、最新の知識を身につけるとともに専門性の向上を図るために、定期的に研修等を受講する場合もある。
工事や施工に関連する資格としては「電気工事施工管理技士」がある。電気工作物の工事・維持・運用における保安・監督に関しては「電気主任技術者」があり、いずれも国家資格であり、実務経験に応じて受験資格が得られるので、必要に応じて取得していくことになる。危険物を扱う場合もあるので、仕事内容によっては、「第1種ボイラー・タービン主任技術者」、「エネルギー管理士」などの資格を取得することも必要になってくる場合がある。
電気や動力への関心と知識が必要である。小さな異変が事故につながる場合があり、事故を未然に防ぐよう細心の注意力や安全管理に関する意識が求められる。さらに環境への配慮も重要である。
この仕事で働く人は、大卒または高卒の人が多いと答えています。 job tag がそれぞれの職業で働く人に行った調査(複数回答)によるものです。働く人の実感を示すもので、それぞれの学歴の人の割合ではありません。
就き方
- 大学: 工学の学位, 日本の95校の大学で開講
- 専門学校・短大・高専・技能検定: 高等専門学校(高専) job tag の調査では、この仕事で働く人の12%が高専卒の人が多いと答えています。2025年3月に高専を卒業して「製造技術者(開発)」に就職した人は376人でした(令和7年度学校基本調査 第109表)。; 専門学校:電気・電子(工業関係) 専修学校の「電気・電子」の課程は、2024年度の卒業生が943人で、そのうち785人が関連分野に就職しました(令和7年度学校基本調査 第237表)。課程と職業の対応付けは Peernovo によるものです。
- 国家資格・免許: job tag がこの仕事の関連資格として挙げている資格です:ボイラー・タービン主任技術者。
- 国家資格・免許: job tag がこの仕事の関連資格として挙げている資格です:第一種電気主任技術者、第二種電気主任技術者、第三種電気主任技術者。
- 国家資格・免許: job tag がこの仕事の関連資格として挙げている資格です:1級電気工事施工管理技士、2級電気工事施工管理技士、1級電気工事施工管理技士補、2級電気工事施工管理技士補。
- 国家資格・免許: job tag がこの仕事の関連資格として挙げている資格です:エネルギー管理士。
給与 · 求人の状況 · AIとこの職業
- 平均年収:¥7,039,400 民間企業だけ(常用労働者10人以上の事業所)の数値です。公立学校の教員や警察官などの公務員は含まれません。
- 月の所定内給与(残業代と賞与を除く):中央値は¥364,900で、中間の半数の人は月¥289,900〜¥468,800です。
- 賃金構造基本統計調査の職種「電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)」の数値です
- ハローワークの有効求人倍率は1.93倍です(2025年)。 将来の予測ではなく、いまの求人の状況を示す数値です。ハローワークに登録された求人と求職者だけを数えたもので、大卒や専門職の採用の多くはハローワークを通りません。
- 国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
労働条件の特徴
勤務先は電力会社や鉄道会社、電気機器メーカーなどであり、職場は全国に広がっている。
雇用形態は、ほとんどが正社員である。
賃金、労働時間等労働条件は職場によって異なり、勤務先の規定による。
例えば、鉄道会社の場合では、始発から終電まではもちろん、電車が走っていない時間帯でなければできない点検や修理があるため、シフト制をとっているのが一般的である。
関連する職業
よくある質問
電気技術者になるにはどうすればいいですか?
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、工業高校、理工系の専門学校、大学・大学院等で電気・電子工学を専攻して入職するケースが一般的である。
日本での電気技術者の収入はどのくらいですか?
民間企業での平均年収は、賞与を含めて¥7,039,400です(厚生労働省)。 この数値は、いくつかの職業を含む賃金構造基本統計調査の職種「電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)」のものです。
電気技術者になるには学位が必要ですか?
多くの場合は必要です。この職業が属する国勢調査の職業分類では、働く人の64%が大卒以上です。
AIによって電気技術者の仕事は変わりますか?
国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
出典
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」令和7年、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 総務省統計局「令和2年国勢調査」抽出詳細集計、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)職業情報データベース ダウンロードデータ(解説系 ver.7.01、簡易版数値系 ver.7.00)、職業情報提供サイト(job tag)、2026年10月4日取得
- International Labour Organization, Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure (ILO Working Paper 140, Gmyrek et al.)(ILO Working Paper 140, May 2025, Annex Table A1)、CC BY 4.0、2026年10月4日取得
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ(IPD_DL_description_7_01.xlsx)ver.7.01 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ(IPD_DL_numeric_7_00.xlsx)ver.7.00 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を加工して作成
出典:総務省統計局「令和2年国勢調査」を加工して作成
出典:文部科学省「令和7年度学校基本調査」を加工して作成
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」を加工して作成
出典:総務省「日本標準職業分類(平成21年12月告示)」
2026年10月4日更新
