ハウス野菜栽培者になるには
別名: 温室野菜栽培作業員, ハウス野菜栽培作業員, 野菜栽培作業員(ハウス栽培)
様々な種類の野菜を、露地での生産ではなく、気象条件の影響を受けにくいガラス温室やビニールハウスなどの施設で生産する。
仕事内容
この生産方法を包括して「施設園芸」と呼んでいる。「施設園芸」には、花、果実、野菜等の生産が含まれるが、ここではハウス野菜栽培について記述する。
ハウス野菜栽培者は経営者を兼ねている場合が多い。まず、畑となる土地、施設、農機具などを整備して、生産品目を決め、生産量や出荷時期といった経営計画を立てる。特に出荷時期の選択が重要な野菜の場合には、どの時期にどの程度の人手と資金を投入すれば良いかの判断が重要である。
実際の栽培の仕事には、土作り、肥料やり、種まき、育苗(いくびょう)、植付け、病害虫の防除、除草、収穫、出荷といった多くの作業がある。まず、土地に堆肥や肥料を入れ、畑を耕して野菜が育ちやすい土壌を作る。そこに畝(うね)を立て、種子をまくか苗を植え、生育に適した温度、潅水(かんすい)、病害虫防除などの管理作業を行って野菜を育てる。1日の仕事は、朝の作業準備から始まり、その後、栽培作業、出荷、販売、あとかたづけをして夕方終了する。
ハウスには、パイプハウス、耐候性ハウス、ガラス温室等がある。ハウスの中の環境はコンピュータで自動制御されている場合が多いが、野菜の発育状況や品質を注意深く観察し、問題があるときには環境を調節し、肥料をやったり病害虫を取り除くなどの的確な対処が必要である。育てた野菜は収穫の際に形状や色彩、味などを見て、品質の悪いものを取り除き、出荷する。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
農機具、トラクター、トラック、普通自動車、ボイラー、コンピュータ
主な業務
- 栽培する野菜に適したハウスなどの仕様を決め、発注する。
- 市場の状況を見ながら生産品目を決め、生産量や出荷時期といった経営計画を立てる。
- 堆肥や緑肥を使い、土づくりをする。
- ハウス内の土を耕し、種子を蒔くか苗を植える。
- 苗が倒れないように支える(誘引)。
- 野菜の生育に最適な条件を維持するために、ハウス内の環境を管理する。
- 野菜の発育状況や品質を注意深く観察し、環境を調節する。
- 肥料をやったり、病害虫を取り除く。
- 雑草や脇芽を除去する。
- 病気にかかった株や不必要な作物を処分する。
- 作物の生育の状態を判定し、収穫時期を決定する。
- 作物を収穫する。
- 収穫した作物を洗浄する。
- 収穫した野菜を市場に出すために等級別に選別し、出荷する。
- ビニールハウス被覆資材を張り替えるなど、設備の点検整備や修理作業をする。
- 圃場の土壌消毒をする。
- 筆やミツバチ等を用いたりして、受粉させる。
- 野菜の株分けをする。
- 種子、樹木、肥料、農作機械、農機具などを選択し、購入する。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。高校、専門学校等で農業について学んだり、研修やセミナーなどで、土づくり、植物の生態、データに基づいた環境調節技術、経営等を学ぶと役に立つ。
畑を耕すトラクター、収穫物を運ぶトラック等を運転するので、普通自動車免許、大型特殊自動車免許等も必要である。ハウス栽培には、ボイラーの取り扱いもあり、ボイラー技士、危険物取扱者もあるとよい。
機械や身体を使っての反復作業が多いので、ある程度の体力が必要で、根気があり辛抱強いことも求められる。生物を育てることに興味と熱意があり、自然の中で働くことが好きな人に向いている。栽培する野菜の品質を高めるため、新たな栽培技術の導入や品種改良の情報を集める等技術習得に努める姿勢が大切である。また、栽培品目や栽培時期などを判断するために、消費者のニーズを的確につかむ情報収集も重要となる。自営の場合は、経営能力も必要となる。
この仕事で働く人は、高卒の人が多いと答えています。 job tag がそれぞれの職業で働く人に行った調査(複数回答)によるものです。働く人の実感を示すもので、それぞれの学歴の人の割合ではありません。
就き方
- 専門学校・短大・高専・技能検定: 専門学校:農業(農業関係) 専修学校の「農業」の課程は、2024年度の卒業生が1,489人で、そのうち1,124人が関連分野に就職しました(令和7年度学校基本調査 第237表)。課程と職業の対応付けは Peernovo によるものです。
- 国家資格・免許: job tag がこの仕事の関連資格として挙げている資格です:特級ボイラー技士、1級ボイラー技士、2級ボイラー技士。
- 国家資格・免許: job tag がこの仕事の関連資格として挙げている資格です:危険物取扱者(甲種)、危険物取扱者(乙種)、危険物取扱者(丙種)。
- 国家資格・免許: job tag がこの仕事の関連資格として挙げている資格です:大型特殊自動車免許。
給与 · 求人の状況 · AIとこの職業
- 平均年収:¥3,607,500 民間企業だけ(常用労働者10人以上の事業所)の数値です。公立学校の教員や警察官などの公務員は含まれません。
- 月の所定内給与(残業代と賞与を除く):中央値は¥229,000で、中間の半数の人は月¥197,900〜¥283,100です。
- 賃金構造基本統計調査の職種「農林漁業従事者」の数値です
- ハローワークの有効求人倍率は1.07倍です(2025年)。 将来の予測ではなく、いまの求人の状況を示す数値です。ハローワークに登録された求人と求職者だけを数えたもので、大卒や専門職の採用の多くはハローワークを通りません。
- 国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
労働条件の特徴
ハウス野菜の栽培は全国各地で行われている。
ハウス野菜農家は、家族経営が中心の専業農家がほとんどであったが、雇用されて働いている人もいる。家族経営の場合でも、育苗、肥料やり、除草など一時的に作業が集中する時期には、パートタイマー、アルバイトを雇うのが一般的である。雇用される場合は、パートタイマー・アルバイトは時給制、正社員の場合は月給制であることが多く、シフト勤務になっていることもある。
自営の場合、高齢化が進んでいたり、個人の経営能力や技術水準によって収益に差がある。しかし、農業の中では、気象条件に左右されず計画的に栽培できることから、ハウス野菜は収益性の高い作物であり、機械化も進んでいる。最近では人員を投入して栽培品目、栽培量を拡大する経営農家が増えており、会社組織も出てきている。植物工場も含め高度な環境制御型の施設園芸への転換を進めつつ、規模拡大を図る動きもある。
関連する職業
よくある質問
ハウス野菜栽培者になるにはどうすればいいですか?
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。高校、専門学校等で農業について学んだり、研修やセミナーなどで、土づくり、植物の生態、データに基づいた環境調節技術、経営等を学ぶと役に立つ。
日本でのハウス野菜栽培者の収入はどのくらいですか?
民間企業での平均年収は、賞与を含めて¥3,607,500です(厚生労働省)。 この数値は、いくつかの職業を含む賃金構造基本統計調査の職種「農林漁業従事者」のものです。
ハウス野菜栽培者になるには学位が必要ですか?
通常は必要ありません。この職業が属する国勢調査の職業分類で大卒以上の人は10%にとどまります。主な就き方:専門学校:農業(農業関係)。
AIによってハウス野菜栽培者の仕事は変わりますか?
国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
出典
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」令和7年、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 総務省統計局「令和2年国勢調査」抽出詳細集計、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)職業情報データベース ダウンロードデータ(解説系 ver.7.01、簡易版数値系 ver.7.00)、職業情報提供サイト(job tag)、2026年10月4日取得
- International Labour Organization, Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure (ILO Working Paper 140, Gmyrek et al.)(ILO Working Paper 140, May 2025, Annex Table A1)、CC BY 4.0、2026年10月4日取得
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ(IPD_DL_description_7_01.xlsx)ver.7.01 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ(IPD_DL_numeric_7_00.xlsx)ver.7.00 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を加工して作成
出典:総務省統計局「令和2年国勢調査」を加工して作成
出典:文部科学省「令和7年度学校基本調査」を加工して作成
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」を加工して作成
出典:総務省「日本標準職業分類(平成21年12月告示)」
2026年10月4日更新
