産業用ロボットの設置・設定になるには
別名: 産業用ロボット組立・据付工, 産業用ロボット設置・設定工
工場などの生産ラインに産業用ロボットを設置し稼働させるための機械の据え付け調整、初期設定、システムの構築等を行う。
仕事内容
産業用ロボットを設置し、稼働させるための機械の据え付け調整、初期設定、及びシステムの構築等を行う。
ロボットには、生産工程等で使用される産業用ロボット、危険な環境の中で作業を代行するロボット、家事や介護等を支援する日常生活支援ロボットなどがある。ここでは主に産業用ロボットについて述べる。なお、産業用ロボットとは、自動制御によるマニピュレーション機能又は移動機能をもち,各種の作業をプログラムにより実行でき,産業に使用される機械のことを言う。産業用ロボットは、FA(factory automation)などの自動化システムに組み込まれて初めてその機能を発揮する。
産業用ロボットの設置・設定の仕事は、その自動化システムの構築やそれに必要な部品の製作、ロボットティーチング、システムの組立・据え付けなどが主なものとなる。
このような業務を手掛ける企業をロボットシステムインテグレーター(ロボットSIer:エスアイアー)と呼ぶこともある。なお、同企業では、設置・設定だけでなく、ロボットを使用した導入提案や組み立て等も行う。
ロボットSIerは全国に約1,000社あり、従業員が10人から200人位までの中小規模の企業が圧倒的に多い(2018年5月時点*1)。なお、広義のロボットSIerは、専業の企業だけでなく、複数の企業が協業体制を組んだり、ユーザー企業やロボットメーカーの1部門がシステムインテグレーションを行う場合も含まれる。
*1 経済産業省 製造産業局 産業機械課 ロボット政策室、一般社団法人 日本ロボット工業会 ロボットシステムインテグレータのスキル読本[第一版]
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
パソコン
主な業務
- どのような生産ラインにするか顧客のユーザー企業から概要、要望、予算、期限等を聞き、検討、協議する。
- ロボットを使った生産ラインに関して基本的な設計を行う。
- 基本的な設計をユーザー企業に説明し、検討、協議する。
- 生産ラインの具体的で詳細な設計を行う。
- 詳細な設計に基づき、既存のロボット等を選択する。
- 適切なロボットがない場合、新たなロボットの開発を開発会社、あるいは自社の開発部門に依頼する。
- 一連の生産ラインを制御するソフトウェアを選択する。
- 一連の生産ラインを制御するソフトウェアを開発する。
- 必要な場合、ロボットのハード、ソフトを修正、調整する。
- ロボットにティーチング(機械学習、深層学習を含む)を行う。
- 設計通りの性能か、問題点がないか等、生産ラインをテストする。
- 問題点、改善点がある場合、ロボット、機材、ソフト等を修正、調整する。
- 生産ラインでロボットと一緒に作業する従業員を教育訓練する。
- ドキュメント(設計、開発、試験結果、マニュアル等)を作成する。
- 生産性、経済性、信頼性、精度を高めるため、生産ラインの改良を提案する。
- ロボットの問題点、改善箇所等を開発会社、あるいは自社の開発部門に報告する。
- 複数の企業で開発する場合、それら企業と共同で設置し、設定等を行う。
- 新たなロボットが開発された場合、生産ラインに組み込むか検討する。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、新卒の場合は、大学や高専、専門学校の機械工学・電気・電子系、情報系の学部を卒業してロボットSIerやロボットシステムインテグレーション部門をもつ企業に入社して、ロボット関連の職場に配属されるというのが一般的である。採用については、大企業では新卒採用が全体のほぼ半数で、中途採用はその半数程度となっている。中小企業では新卒採用と中途採用はほぼ同程度となっている。
産業用ロボット(定格出力が80W未満のものを除く)にかかわる仕事に就く場合は、労働安全衛生規則第39条に基づいた産業用ロボットの教示等の業務及び検査等の業務に係る安全衛生特別教育を受けなければならない。これは、ロボットの設置やメンテナンスを行う職業だけでなく、ロボットシステムを導入する企業でも同様である。
求められる資質としては、ロボティクス(ロボット工学)に関する知識はもちろんであるが、ロボットシステムインテグレーションが主業務となるため、導入提案やユーザーのニーズの聞き取りなど顧客企業と的確なコミュニケーションをとって、適切な提案、設計ができる能力が必要である。慢性的に人材が不足している業界でもあり、ステップアップした後は後輩を育てる指導性も求められる。
この仕事で働く人は、大卒の人が多いと答えています。 job tag がそれぞれの職業で働く人に行った調査(複数回答)によるものです。働く人の実感を示すもので、それぞれの学歴の人の割合ではありません。
給与 · 求人の状況 · AIとこの職業
- 平均年収:¥5,225,100 民間企業だけ(常用労働者10人以上の事業所)の数値です。公立学校の教員や警察官などの公務員は含まれません。
- 月の所定内給与(残業代と賞与を除く):中央値は¥288,600で、中間の半数の人は月¥242,500〜¥362,400です。
- 賃金構造基本統計調査の職種「はん用・生産用・業務用機械器具組立従事者」の数値です
- ハローワークの有効求人倍率は0.70倍です(2025年)。 将来の予測ではなく、いまの求人の状況を示す数値です。ハローワークに登録された求人と求職者だけを数えたもので、大卒や専門職の採用の多くはハローワークを通りません。
- 国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
労働条件の特徴
基本的に企業の中の職務(仕事)であり、労働時間や給与などは、各社の社内規定に準拠している。給与についてはスキルの社内での基準により決めているところもあるが、明確な基準を設定しているところは少ない。なお、中途採用については前職の報酬基準をベースにしているところもある。
80W規制が緩和されて以来、生産ラインに人間と並んで作業する協業ロボットが生まれている。産業用ロボットのほかにも、コミュニケーションロボットや医療・介護ロボット、自動搬送ロボットなどが注目されている。今後もロボットを組み込んだシステムを構築する技術者の役割はますます重要になるとみられる。
関連する職業
よくある質問
産業用ロボットの設置・設定になるにはどうすればいいですか?
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、新卒の場合は、大学や高専、専門学校の機械工学・電気・電子系、情報系の学部を卒業してロボットSIerやロボットシステムインテグレーション部門をもつ企業に入社して、ロボット関連の職場に配属されるというのが一般的である。採用については、大企業では新卒採用が全体のほぼ半数で、中途採用はその半数程度となっている。中小企業では新卒採用と中途採用はほぼ同程度となっている。
日本での産業用ロボットの設置・設定の収入はどのくらいですか?
民間企業での平均年収は、賞与を含めて¥5,225,100です(厚生労働省)。 この数値は、いくつかの職業を含む賃金構造基本統計調査の職種「はん用・生産用・業務用機械器具組立従事者」のものです。
産業用ロボットの設置・設定になるには学位が必要ですか?
通常は必要ありません。この職業が属する国勢調査の職業分類で大卒以上の人は17%にとどまります。
AIによって産業用ロボットの設置・設定の仕事は変わりますか?
国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
出典
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」令和7年、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 総務省統計局「令和2年国勢調査」抽出詳細集計、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)職業情報データベース ダウンロードデータ(解説系 ver.7.01、簡易版数値系 ver.7.00)、職業情報提供サイト(job tag)、2026年10月4日取得
- International Labour Organization, Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure (ILO Working Paper 140, Gmyrek et al.)(ILO Working Paper 140, May 2025, Annex Table A1)、CC BY 4.0、2026年10月4日取得
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ(IPD_DL_description_7_01.xlsx)ver.7.01 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ(IPD_DL_numeric_7_00.xlsx)ver.7.00 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を加工して作成
出典:総務省統計局「令和2年国勢調査」を加工して作成
出典:文部科学省「令和7年度学校基本調査」を加工して作成
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」を加工して作成
出典:総務省「日本標準職業分類(平成21年12月告示)」
2026年10月4日更新
