理学療法士になるには
正式名称:理学療法士(PT)
医師の指示の下、身体に障害がある人等の身体運動機能の回復や維持・向上を図り、自立した日常生活が送れるよう、運動の指導や物理療法を行う。
仕事内容
理学療法士は身体に障害がある人等の身体運動機能の回復や維持・向上を図り自立した日常生活が送れるよう、医師の指示の下、運動の指導や物理療法を行う医療技術者である。PT(Physical Therapist)とも呼ばれる。
理学療法は、脳性マヒ、事故や病気による障害、脳卒中後遺症や老化による障害など、幼年期から老年期にわたるさまざまな障害を対象にしている。理学療法士は、医師から依頼された理学療法の内容を点検し、注意する点や行ってはいけない動作を考えたうえで、患者の筋力などを検査する。その結果をもとに患者の障害の状況を評価し、他の診療部門からの情報も加えて理学療法の目標を立て、そのための具体的方法・手順などのプログラムを作成する。
理学療法の中心は運動療法である。理学療法士は身体機能回復のための関節可動域練習、筋力増強練習、神経筋促通運動、歩行動作などの日常生活動作練習を通じて、自立した生活ができるように指導する。温熱を利用したり、電気刺激や超音波などの物理療法を行うこともある。
患者それぞれの状態にあわせて最適な運動・訓練を行い、身体運動機能の回復を援助して自立を促すのが、理学療法士の役割である。
また、障害のある人だけではなく、予防やスポーツのパフォーマンス向上など、健康な人に対しても理学療法士の仕事が広がっている。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
パソコン
主な業務
- 患者の筋力、運動能力、知覚、呼吸・循環器系統の能力を検査し、評価する。
- 医師の処方や患者の状況、診療記録を検討し、必要な療法を定める。
- 患者のデータにもとづき、治療プログラムを作成する。
- 身体機能を維持・改善するため、患者に筋肉の運動をさせる。
- 身体機能を向上させるために患者にマッサージをする。
- 身体機能を改善するために、器具や装置などを操作する。
- 牽引や矯正の器具を使ったり、患者の体の痛みや変形を軽減するため電気刺激や温熱の理学療法をする。
- 疼痛を消失させるため、患者に関節内運動をさせる。
- 患者の早期機能回復のため、離床訓練を実施する。
- 松葉杖、杖、義肢など補助器具を使用した身体活動について指導する。
- 患者および家族に対し、家庭でのリハビリ方法を指導する。
- 転倒・疾病、フレイルや介護を予防するため、体操などの運動指導を行う。
- 内部疾患に伴う二次障害や再発を予防するための指導をする。
- 患者の居宅を訪問し、助言や指導をする。
- 家屋調査を実施し、福祉用具の利用や住宅改修について助言する。
- 看護師や介護福祉士に、介助方法を指導する。
- 矯正器具を評価・調節・装着し、リハビリ担当医や器具製作者に改善案を提出する。
- カンファレンスやサービス担当者会議に参加する。
- 運動療法の効果を評価し、目標と方法の調整をするために他の医療関係者と情報交換する。
- 地域住民や他施設と連携し、情報を共有する。
- 患者の理学療法診療録に処置、反応、改善状況を記録し、情報を管理する。
- 部署内の業務や目標を管理する。
なるには
理学療法士として必要な知識と技能を養成校で3年以上修得し、国家試験に合格して免許を取得することが必要である。
養成校の教育内容は、基礎教養科目、解剖学、生理学、運動学、病理学などの基礎医学、臨床医学や社会福祉学、地域リハビリテーション、病院やリハビリテーションセンターでの臨床実習を含む理学療法などからなる。なお、作業療法士の資格を有している場合は、養成校で2年以上学ぶことで理学療法士の受験資格を得る。
入職経路としては、卒業した養成校からの紹介や、専門誌などの求人広告、リハビリテーション関係者からの情報等がある。
理学療法士は、専門領域の知識や技術のほか、評価や療法運動を行うとき、正しい場所に適切に力を加えたり、患者の姿勢のバランスを保持したり、移動の時に介助することができるよう、相応な体力と繊細な神経が必要である。
また、障害のある人々やその家族に療法の意味を説明し、身体的自立を援助するためにクライントの気持ちを受容した上で説得することも求められる。
専門能力の向上を図るために、各職場での研修の他に、日本理学療法士協会などの主催する学会や各種研修会などの機会も設けられている。また、同協会の認定資格として認定理学療法士(基礎理学療法、神経理学療法、運動器理学療法等7つの専門分野のうち1つ以上の専門分野に登録し、専門的臨床技能の維持や職能面における理学療法の技術などを高めていくことを目的とする)、専門理学療法士(7つの専門分野のうち1つ以上の専門分野に登録し、研究能力を高めることを目的とする)がある。
この仕事で働く人は、大卒または専門学校卒の人が多いと答えています。 job tag がそれぞれの職業で働く人に行った調査(複数回答)によるものです。働く人の実感を示すもので、それぞれの学歴の人の割合ではありません。
就き方
- 大学: 医療技術・リハビリの学位, 日本の52校の大学で開講
- 専門学校・短大・高専・技能検定: 専門学校:理学・作業療法(医療関係) 専修学校の「理学・作業療法」の課程は、2024年度の卒業生が8,175人で、そのうち7,357人が関連分野に就職しました(令和7年度学校基本調査 第237表)。課程と職業の対応付けは Peernovo によるものです。
- 国家資格・免許: job tag がこの仕事の関連資格として挙げている資格です:作業療法士。
- 国家資格・免許: job tag がこの仕事の関連資格として挙げている資格です:理学療法士。この仕事に就くには必要です(job tag の「就くには」をもとに Peernovo が判断)。
給与 · 求人の状況 · AIとこの職業
- 平均年収:¥4,436,000 民間企業だけ(常用労働者10人以上の事業所)の数値です。公立学校の教員や警察官などの公務員は含まれません。
- 月の所定内給与(残業代と賞与を除く):中央値は¥286,000で、中間の半数の人は月¥255,600〜¥328,300です。
- 賃金構造基本統計調査の職種「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士」の数値です
- ハローワークの有効求人倍率は3.08倍です(2025年)。 将来の予測ではなく、いまの求人の状況を示す数値です。ハローワークに登録された求人と求職者だけを数えたもので、大卒や専門職の採用の多くはハローワークを通りません。
- 国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
労働条件の特徴
主な職場は病院やリハビリテーションセンター、障害者福祉センター、障害児通所・入園施設、保健福祉センター、老人保健施設、高齢者介護施設などである。また、プロスポーツチームに所属している理学療法士もいる。運動の指導は施設内の運動療法室や日常生活動作室で行うことが多い。また、物理療法や水治療法などを行う際には、機械器具を操作する療法も行う。
直近の国家試験合格者は年1万1373人(2025年2月時点*1)である。就業者のうち女性は約4割程度(2025年3月時点*2)となっている。
原則として、賃金・労働時間・休日・休暇などの労働条件は、勤務先の病院・施設などで働く他の医療技術者と同様の水準である。労働時間は昼間勤務がほとんどであるが、病院・施設によっては月1~2回の宿直がある場合もある。
高齢化の進展や障害の重度化などにより、リハビリテーションの重要性が高まっており、理学療法士の数も増加傾向にあるが、依然として人材が不足している。
*1 厚生労働省、第60回理学療法士国家試験及び第60回作業療法士国家試験の合格発表について
*2 統計情報 公益社団法人 日本理学療法士協会
関連する職業
よくある質問
理学療法士になるにはどうすればいいですか?
理学療法士として必要な知識と技能を養成校で3年以上修得し、国家試験に合格して免許を取得することが必要である。
日本での理学療法士の収入はどのくらいですか?
民間企業での平均年収は、賞与を含めて¥4,436,000です(厚生労働省)。 この数値は、いくつかの職業を含む賃金構造基本統計調査の職種「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士」のものです。
理学療法士になるには学位が必要ですか?
必ずしも必要ではありません。この職業が属する国勢調査の職業分類では、働く人の51%が大卒以上です。主な就き方:医療技術・リハビリの学位、専門学校:理学・作業療法(医療関係)。
AIによって理学療法士の仕事は変わりますか?
国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
出典
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」令和7年、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 総務省統計局「令和2年国勢調査」抽出詳細集計、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)職業情報データベース ダウンロードデータ(解説系 ver.7.01、簡易版数値系 ver.7.00)、職業情報提供サイト(job tag)、2026年10月4日取得
- International Labour Organization, Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure (ILO Working Paper 140, Gmyrek et al.)(ILO Working Paper 140, May 2025, Annex Table A1)、CC BY 4.0、2026年10月4日取得
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ(IPD_DL_description_7_01.xlsx)ver.7.01 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ(IPD_DL_numeric_7_00.xlsx)ver.7.00 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を加工して作成
出典:総務省統計局「令和2年国勢調査」を加工して作成
出典:文部科学省「令和7年度学校基本調査」を加工して作成
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」を加工して作成
出典:総務省「日本標準職業分類(平成21年12月告示)」
2026年10月4日更新
