高分子化学技術者になるには
別名: 高分子化学製品生産技術者
プラスチック、化学繊維などの高分子材料や高分子の合成などの研究開発、製品化技術の開発・改良などを行う。
仕事内容
高分子とは、数千個以上の原子からできている分子量の高い分子のことであり、プラスチックや繊維、ゴム、機能性高分子(吸水性ポリマー)などを含む。
プラスチックなどの合成樹脂の開発についてみると、代表的な合成樹脂には、ポリ袋などに使うポリエチレン、自動車のバンパーなどに使うポリプロピレン、発泡スチロールの原料となるポリスチレン、水道管などに使う塩化ビニール樹脂などがある。自動車や家電の歯車や軸受けとして、高い耐熱性や強度を必要とする部品に用いられるエンジニアリング・プラスチック(エンプラ)と呼ばれる製品もある。高分子化学技術者は、市場のニーズ等を元に、石油から合成樹脂を製造する方法の改良や、より高い耐熱性や強度をもつ合成樹脂の開発などの試験、研究、開発を行う。
繊維の分野では、ナイロンやレーヨンなどの化学繊維についての開発を行う。具体的には、石油、植物の繊維、パルプなど原料を取りだす技術の改良、原料に化学薬品を混ぜて繊維にする工程の改善、溶融した原料を糸にする機械の開発、できた繊維を新しい製品にする技術の開発などを行う。産業資材用途に活用される繊維もあり、パラ系アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、炭素繊維など、高強度・高弾性の素材の開発や機能性の向上に向けた研究も行う。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
表計算ソフト(Excel、Googleスプレッドシート等)、パソコン、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
主な業務
- 目的に合わせて素材を選定する。
- 高機能の高分子材料の開発をする。
- 高分子材料の商品化について、応用的な研究や開発をする。
- 高分子材料のリサイクルについての研究や開発をする。
- 高分子材料の性能を試験評価する。
- 合成樹脂についての研究や開発をする。
- 石油から合成樹脂を製造する方法の改良、熱に強い合成樹脂の開発をする。
- 化学反応の触媒についての研究や開発をする。
- 医療など新しい用途への応用のための研究、開発をする。
- 化学繊維についての研究や開発をする。
- タンパク質についての研究や開発をする。
- 接着加工技術を開発する。
- 研究プロジェクトを企画する。
- 市場の動向やニーズを調査する。
なるには
入職にあたって、特に免許・資格は必要とされないが、化学の基礎知識が必要である。高専や理工系の大学・大学院で化学(高分子化学)を専攻している者が多い。中途採用の場合は、実務経験を問われる。
合成樹脂メーカー、化学繊維メーカーなどの製品開発部門や製造部門に配属され、その中で顧客が要求する特性、例えば強度を強くしたい、耐熱性を高めたいといった依頼を実現し、製造するために綿密な試験を重ね、高分子化学技術者として評価・試験業務や分析、評価レポート方法など、必要な経験を積んでいく。また、将来的に製品として実用化を目指すための高分子材料の開発を行う場合もある。
専門分野の知識に加え、より優れた特性を持つ新しい素材や製品を追求していくための好奇心、探究心、粘り強さが求められる。
この仕事で働く人は、大学院修士課程修了または大卒の人が多いと答えています。 job tag がそれぞれの職業で働く人に行った調査(複数回答)によるものです。働く人の実感を示すもので、それぞれの学歴の人の割合ではありません。
就き方
- 大学: 理学の学位, 日本の83校の大学で開講
- 大学: 工学の学位, 日本の95校の大学で開講
給与 · 求人の状況 · AIとこの職業
- 平均年収:¥6,417,300 民間企業だけ(常用労働者10人以上の事業所)の数値です。公立学校の教員や警察官などの公務員は含まれません。
- 月の所定内給与(残業代と賞与を除く):中央値は¥343,900で、中間の半数の人は月¥284,400〜¥432,300です。
- 賃金構造基本統計調査の職種「化学技術者」の数値です
- ハローワークの有効求人倍率は1.93倍です(2025年)。 将来の予測ではなく、いまの求人の状況を示す数値です。ハローワークに登録された求人と求職者だけを数えたもので、大卒や専門職の採用の多くはハローワークを通りません。
- 国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
労働条件の特徴
勤務先は、合成樹脂メーカー、化学繊維メーカー等であり、就業場所はメーカーの立地場所を中心に国内に点在している。
就業者は男性が多いが、女性も増加傾向である。
賃金、労働時間等労働条件は勤務先の規定による。
高分子材料は、エネルギー・環境、医療、情報等の分野で広く活用されており、社会の高度なニーズに応え、優れた特性を追求する高分子化学技術者の需要は高いと見込まれる。
関連する職業
よくある質問
高分子化学技術者になるにはどうすればいいですか?
入職にあたって、特に免許・資格は必要とされないが、化学の基礎知識が必要である。高専や理工系の大学・大学院で化学(高分子化学)を専攻している者が多い。中途採用の場合は、実務経験を問われる。
日本での高分子化学技術者の収入はどのくらいですか?
民間企業での平均年収は、賞与を含めて¥6,417,300です(厚生労働省)。 この数値は、いくつかの職業を含む賃金構造基本統計調査の職種「化学技術者」のものです。
高分子化学技術者になるには学位が必要ですか?
多くの場合は必要です。この職業が属する国勢調査の職業分類では、働く人の81%が大卒以上です。
AIによって高分子化学技術者の仕事は変わりますか?
国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
出典
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」令和7年、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 総務省統計局「令和2年国勢調査」抽出詳細集計、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)職業情報データベース ダウンロードデータ(解説系 ver.7.01、簡易版数値系 ver.7.00)、職業情報提供サイト(job tag)、2026年10月4日取得
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- International Labour Organization, Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure (ILO Working Paper 140, Gmyrek et al.)(ILO Working Paper 140, May 2025, Annex Table A1)、CC BY 4.0、2026年10月4日取得
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ(IPD_DL_description_7_01.xlsx)ver.7.01 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ(IPD_DL_numeric_7_00.xlsx)ver.7.00 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を加工して作成
出典:総務省統計局「令和2年国勢調査」を加工して作成
出典:文部科学省「令和7年度学校基本調査」を加工して作成
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」を加工して作成
出典:総務省「日本標準職業分類(平成21年12月告示)」
2026年10月4日更新
