速記者、音声反訳者になるには
別名: 字幕速記者(ステノキャプショナー), 反訳者(速記)
議会、裁判、会議、講演、座談会などに赴き、速記符号や録音によって記録した後、パソコンを使い誰もが読める原稿を作成する。
仕事内容
録音データや速記符号をパソコンで文字に書き起こし、原稿を作成することを「反訳(はんやく)」作業という。
会議では、発言内容を録音機械を使って録音する。映像記録ではないので、誰が発言したか進行表等に記載する。会議の要点等も必要に応じメモする。速記は、速記専用の符号を使用して発言内容を忠実に書き取る。最近では、速記符号での書き取りは補助的になってきている。例えば、議会での突然のヤジなど(不規則発言)で音声では聞き取りが困難な場面等で速記符号での記録等を行う。会議等終了後に録音データや速記符号をパソコンで文字に打ち直して原稿を作成する。その際、難解な専門用語や外国語などについて調べ直したり、あいまいと思われる点がある場合には発言者に照会することもある。
速記符号を用いた書き取りでは、五十音に対応した基礎符号を基本に、より速く書けるように単語ごとに考案された記号も使う。基礎符号は幾何図形の一部から取り出した線を用いてつくられており、それらを続けて書く。作成した原稿は、経験を積んだ校閲(こうえつ)者によってチェックされ、誤りがあれば修正して原稿を完成させる。また、フリーランスで働いている場合は自分で完成原稿まで仕上げて依頼主に納品する。
国会では速記者養成所の廃止に伴い、議事録の作成が音声認識システムにより文字化する方法に変わってきている。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
録音機械、文書作成ソフト(Word、一太郎等)、テープ起こしソフト、パソコン
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。入職後は実務を通して経験を積むケースが多い。速記者になるには、専門の速記学校や通信教育などで勉強し、関係団体が認定する「速記技能検定(1級、2級)」を取得するのが一般的である。
反訳の技能とともに納期を守る責任感が求められる。言葉や表現に関心があり、日常的に読書等を通して幅広い知識をもち、あらゆる発言者の発言内容を理解し、正しく聞き取る力が必要である。更に議会の議事録、裁判記録、学会などの会議録等をまとめるので、正確さ、注意深さが要求される。特に長時間の会議では発言を聞き漏らさないよう集中力を持続させる必要があり、一定の体力と粘り強さも求められる。
給与 · 求人の状況 · AIとこの職業
- 平均年収:¥5,833,100 民間企業だけ(常用労働者10人以上の事業所)の数値です。公立学校の教員や警察官などの公務員は含まれません。
- 月の所定内給与(残業代と賞与を除く):中央値は¥307,800で、中間の半数の人は月¥251,700〜¥414,600です。
- 賃金構造基本統計調査の職種「他に分類されない専門的職業従事者」の数値です
- ハローワークの有効求人倍率は0.80倍です(2025年)。 将来の予測ではなく、いまの求人の状況を示す数値です。ハローワークに登録された求人と求職者だけを数えたもので、大卒や専門職の採用の多くはハローワークを通りません。
- 国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIによってこの仕事の多くの作業が変わる可能性があります。多くの場合、仕事を置き換えるというより、仕事の形を変えるものです。
労働条件の特徴
就業地は都市部に多く、速記(反訳)会社などに就職するか、フリーランスとして一般企業や速記(反訳)会社と契約を結んで仕事をしている。就業者は、女性が多い。
会社等に勤めている場合は、賃金、労働時間等労働条件は、勤務先の規定による。
速記技能検定1級、2級を取得しているものは会社の給与に技術手当が加算されることもあるが、急ぎの納期(特急納期)の場合や夜間・早朝の場合など条件や内容によって差がある。
週休二日制が基本だが、急ぎの仕事が入ると残業や休日出勤がある。反訳作業については出社せず一部在宅で作業を行う場合もある。
フリーランスの場合は、労働時間は比較的自由だが、納期によっては夜間まで作業をすることもある。
近年、議事録作成等では、音声を文字に変換する音声認識技術を利用するケースが増えているが、速記の技術を生かし、リアルタイムで音声をすばやく文字化する仕事も出てきている。
関連する職業
よくある質問
速記者、音声反訳者になるにはどうすればいいですか?
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。入職後は実務を通して経験を積むケースが多い。速記者になるには、専門の速記学校や通信教育などで勉強し、関係団体が認定する「速記技能検定(1級、2級)」を取得するのが一般的である。
日本での速記者、音声反訳者の収入はどのくらいですか?
民間企業での平均年収は、賞与を含めて¥5,833,100です(厚生労働省)。 この数値は、いくつかの職業を含む賃金構造基本統計調査の職種「他に分類されない専門的職業従事者」のものです。
速記者、音声反訳者になるには学位が必要ですか?
多くの場合は必要です。この職業が属する国勢調査の職業分類では、働く人の67%が大卒以上です。
AIによって速記者、音声反訳者の仕事は変わりますか?
国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIによってこの仕事の多くの作業が変わる可能性があります。多くの場合、仕事を置き換えるというより、仕事の形を変えるものです。
出典
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」令和7年、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 総務省統計局「令和2年国勢調査」抽出詳細集計、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)職業情報データベース ダウンロードデータ(解説系 ver.7.01、簡易版数値系 ver.7.00)、職業情報提供サイト(job tag)、2026年10月4日取得
- International Labour Organization, Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure (ILO Working Paper 140, Gmyrek et al.)(ILO Working Paper 140, May 2025, Annex Table A1)、CC BY 4.0、2026年10月4日取得
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ(IPD_DL_description_7_01.xlsx)ver.7.01 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ(IPD_DL_numeric_7_00.xlsx)ver.7.00 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を加工して作成
出典:総務省統計局「令和2年国勢調査」を加工して作成
出典:文部科学省「令和7年度学校基本調査」を加工して作成
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」を加工して作成
出典:総務省「日本標準職業分類(平成21年12月告示)」
2026年10月4日更新
