電気通信技術者になるには
別名: 電気通信施設技術者, ネットワーク技術者
電気通信のインフラ(ネットワークの基盤)の構築と維持・運用を行う。
仕事内容
電気通信のインフラ(ネットワークの基盤)の構築と維持・運用を行う。ネットワーク構築時の各装置(無線、伝送、交換)の配置計画、設計を行うとともに、構築後は各装置をメンテナンスし、安定した通信が行えるようにする。
電気通信技術者の具体的な仕事内容として、「設計」、「工事」、「運用・保守」がある。無線通信を例にとると、「設計」として需要予測に基づき、エリアの広さや必要な容量を算出しエリア計画を作り、効率性等を勘案し、基地局や中継局の設置場所や仕様(アンテナの高さ、装置種別、電源容量等)を決め、交換機、無線設備等、最適な機材を調達する。「工事」としては、工事会社と請負契約を締結し、適切な施工管理(品質、安全、進捗等)を行い、計画通り工事が竣工するようにする。「運用・保守」としては、通信サービスの開始後、日常的なメンテナンスやアフターサービス、また、障害や災害が発生したときの復旧等を行う。
交換機、無線装置、端末、携帯電話等、機材自体は、社内の別の技術者が担当する。交換機、無線機、端末等はこの担当者が企画、設計し、別の製造会社が開発、製造する。電気通信技術者はこの製造会社が開発、製造した機材を調達し、通信ネットワークを構築する。
電気通信技術者の仕事は、初めは覚えることが多く、専門用語も多く、慣れるまでは大変である。しかしながら、携帯電話が使えない場所でそれが使えるようになったり、通話の品質が良くなったとき、また、災害からの復旧で電話が再び使えるようになったときなど、利用者から感謝の言葉が寄せられたり、SNSで評価されたりというときに、仕事の意義を感じられる。また、長期間の準備と工事を経て、新たに導入した方式や装置でサービスが開始できたとき、大きなやりがいを感じられる。
<就業希望者へのメッセージ>
数少ない文系出身として入職しましたが、長い間、楽しくやりがいを感じながら仕事を続けることができました。この職業では、学歴や専攻分野にかかわらず、また新卒採用に加えて中途採用においても、人材が広く求められています。興味を持ったら、専門性にとらわれすぎずチャレンジしてください。(就業者 40代)
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
社内ツール(エリア設計、設計・計画、物品調達、施工管理、監視等)、コラボレーション・ツール(Slack他)、表計算ソフト(Excel、Googleスプレッドシート等)、プレゼン資料作成ソフト(PowerPoint、Keynote等)、パソコン
主な業務
- ネットワーク構築時の各装置(無線、伝送、交換)の配置計画、設計を行う。
- 構築後、各装置をメンテナンスし、安定した通信が行えるようにする。
- 需要予測に基づき、エリアの広さや必要な容量を算出し、エリア計画を作る(設計)。
- 効率性等を勘案し、設置場所や仕様(アンテナの高さ、装置種別、電源容量等)を決定し、最適な装置を調達する(設計)。
- セキュリティに配慮した設計を行う。
- 工事会社と請負契約を締結する(工事)。
- 施工管理(品質、安全、進捗等)を適切に行い、計画通り工事が竣工するようにする(工事)。
- 現場で作業員に対して技術的な指導をする。
- 不具合があれば原因を調査し、改善する。
- 通信サービスの開始後、日常的なメンテナンスやアフターサービスを行う(運用・保守)。
- 障害や災害が発生したときに復旧する(運用・保守担当)。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。新規学卒の場合は工業高校(電気科等)や高専を卒業するか、大学・大学院(理工系)で電気、電子等を専攻するのが一般的である。
基本的な技術をマスターし、社内外の関係者との調整ができるようになり、一人前と見なされるには、数年の経験と研鑽が必要である。
関連資格として、「第一級陸上特殊無線技士」、「第二級陸上無線技術士」、「第一級陸上無線技術士」、「電気通信主任技術者」等の国家資格がある。「電気通信主任技術者」は、電気通信ネットワークの工事、維持・運用を業務とする部署で、監督責任者を担当する場合に必要となる。電気工事に伴い、電気主任技術者(一、二、三種)の資格が必要になる場合もある。
電気通信事業法、有線電気通信法、電波法等についての知識が必要であり、国際電気通信連合憲章(ITU憲章)や国際電気通信連合条約(ITU条約)の知識が必要になる場合もある。また、セキュリティ対策が重要になっている今日、不正アクセス防止、電子署名や電子認証に関する知識も必要である。
電気通信技術の進歩は非常に早く、常に新しい技術を取り入れる向学心が求められ、ロジカルな説明能力、問題解決能力も必要となる。また、開発目標に向かって継続的に努力できること、技術者同士がチームを組んで開発を行うことが多いため、協調性や的確な意思疎通ができるコミュニケーション能力が求められる。昇進するにつれてプロジェクトマネジメント能力も求められる。また、各種装置のマニュアルやドキュメントは英語で書かれている場合もあり、一定の英語力が必要となる。
この仕事で働く人は、大卒の人が多いと答えています。 job tag がそれぞれの職業で働く人に行った調査(複数回答)によるものです。働く人の実感を示すもので、それぞれの学歴の人の割合ではありません。
就き方
- 大学: 工学の学位, 日本の95校の大学で開講
- 大学: コンピューター・ITの学位, 日本の96校の大学で開講
- 専門学校・短大・高専・技能検定: 高等専門学校(高専) job tag の調査では、この仕事で働く人の27%が高専卒の人が多いと答えています。2025年3月に高専を卒業して「情報処理・通信技術者」に就職した人は981人でした(令和7年度学校基本調査 第109表)。; 専門学校:無線・通信(工業関係) 専修学校の「無線・通信」の課程は、2024年度の卒業生が205人で、そのうち136人が関連分野に就職しました(令和7年度学校基本調査 第237表)。課程と職業の対応付けは Peernovo によるものです。
- 国家資格・免許: job tag がこの仕事の関連資格として挙げている資格です:電気通信主任技術者。
- 国家資格・免許: job tag がこの仕事の関連資格として挙げている資格です:第一級陸上特殊無線技士、第一級陸上無線技術士、第二級陸上無線技術士。
給与 · 求人の状況 · AIとこの職業
- 平均年収:¥6,097,600 民間企業だけ(常用労働者10人以上の事業所)の数値です。公立学校の教員や警察官などの公務員は含まれません。
- 月の所定内給与(残業代と賞与を除く):中央値は¥339,800で、中間の半数の人は月¥280,400〜¥445,500です。
- 賃金構造基本統計調査の職種「その他の情報処理・通信技術者」の数値です
- ハローワークの有効求人倍率は1.50倍です(2025年)。 将来の予測ではなく、いまの求人の状況を示す数値です。ハローワークに登録された求人と求職者だけを数えたもので、大卒や専門職の採用の多くはハローワークを通りません。
- 国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIによってこの仕事の一部の作業が変わる可能性があります。
労働条件の特徴
勤務先は通信事業者(通信キャリア、回線事業者)、通信建設事業者等である。就業地は主要都市を中心に全国に広がっている。
雇用形態はほとんどが正社員であり、就業者は男性が多かったが、女性も多くなっている。
賃金、労働時間等労働条件は勤務先の規定による。フレックスタイム制が広がっており、リモートワークも導入されている。サービス開始の期日が近づくときなど、残業が多くなることもある。
利用者の増加、また、IoT、DXにより情報通信は増大している。情報通信の利用拡大、大容量化に伴い、全国でネットワークの強化が進められている。現在、全国で4G(第4世代移動通信システム)の20倍である20Gbpsの超高速データ通信を実現する5G(第5世代移動通信システム)の利用可能エリアが広げられ、主要都市はほぼカバーしている。この先の6G(5Gを超えた次々世代高速通信システム)の研究開発も進んでおり、実用化されれば、このための工事も始まると考えられる。電気通信技術者の需要はますます高まっている。
関連する職業
よくある質問
電気通信技術者になるにはどうすればいいですか?
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。新規学卒の場合は工業高校(電気科等)や高専を卒業するか、大学・大学院(理工系)で電気、電子等を専攻するのが一般的である。
日本での電気通信技術者の収入はどのくらいですか?
民間企業での平均年収は、賞与を含めて¥6,097,600です(厚生労働省)。 この数値は、いくつかの職業を含む賃金構造基本統計調査の職種「その他の情報処理・通信技術者」のものです。
電気通信技術者になるには学位が必要ですか?
多くの場合は必要です。この職業が属する国勢調査の職業分類では、働く人の61%が大卒以上です。
AIによって電気通信技術者の仕事は変わりますか?
国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIによってこの仕事の一部の作業が変わる可能性があります。
出典
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」令和7年、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 総務省統計局「令和2年国勢調査」抽出詳細集計、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)職業情報データベース ダウンロードデータ(解説系 ver.7.01、簡易版数値系 ver.7.00)、職業情報提供サイト(job tag)、2026年10月4日取得
- International Labour Organization, Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure (ILO Working Paper 140, Gmyrek et al.)(ILO Working Paper 140, May 2025, Annex Table A1)、CC BY 4.0、2026年10月4日取得
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ(IPD_DL_description_7_01.xlsx)ver.7.01 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ(IPD_DL_numeric_7_00.xlsx)ver.7.00 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を加工して作成
出典:総務省統計局「令和2年国勢調査」を加工して作成
出典:文部科学省「令和7年度学校基本調査」を加工して作成
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」を加工して作成
出典:総務省「日本標準職業分類(平成21年12月告示)」
2026年10月4日更新
