パン製造、パン職人になるには
別名: パン製造設備オペレーター, 食パン製造工, パン生地仕込工, パン製造工, パン焼成工
製パン工場や個人経営店(ホームベーカリー)でパンを製造する。
仕事内容
原材料の選択から焼き上げまでの全てを、一人から数人で行う小規模なベーカリーもあれば、一方では、自動化された生産ラインで100種類以上のパンを大量につくる大規模な工場もある。工場では仕事が分業化されており、生地をつくる仕事、成形の仕事、焼き上げの仕事に分かれる。
パン製造の仕事は朝が早い。小麦粉、イースト、塩、砂糖、油脂、粉乳、卵などの配合原料を、ミキサーと呼ばれる機械を使って混ぜ合わせ、練り上げて生地をつくる「仕込み」から始まる。次にパンに使うクリームを炊き上げたり、ジャムやあんの硬さを調節したり、レーズンのようなドライフルーツ類を細かく切るなど製造のために必要な準備をする。
仕込みが終わった生地の練り具合、硬さ、温度はパンの品質や出来映えに影響するので、細心の注意が求められる。生地を発酵させた後、一定量に分割し、手や機械を使ってパンの形を整える。成形した生地を型や鉄板の上に収め、一定の温度・湿度に保たれたホイロ(醗酵室)に入れて生地を膨脹させる。
パンの種類に応じてオーブンの温度、時間を設定し焼き上げるが、この工程での的確な調節によって、パンの焼色や香りが作り出される。焼き上げたパンは、網棚状のラックに並べ自然放冷した後、そのまま店頭に並べたり、食パンのようにスライス、包装などの加工をして販売する。機械化された工場では温度、湿度をコントロールした冷却工程によって冷却後、包装工程を経て出荷される。
◇ よく使う道具、機材、情報技術等
ミキサー、オーブン、調理道具(包丁、ガスコンロ等)
主な業務
- 小麦粉、イースト、塩、砂糖、油脂、粉乳、卵といった配合原料を計量する。
- 計量済みの配合原料を、練り上げて生地をつくるため、ミキサーと呼ばれる機械を使って混ぜ合わる(仕込み)。
- パンの中に入れる具材やクリームを切ったり調理する。
- 仕込みが終わった生地の練り具合、硬さ、温度を確認し、静置して発酵させる(一次発酵)。
- 一次発酵後の生地を一定量に分割し、手や機械を使ってパンの形を整える。
- 成形した生地を、型や鉄板の上に並べ、一定の温度・湿度に保たれたホイロと呼ばれる部屋に入れ、生地を膨脹させる(二次発酵)。
- パンの種類に応じてオーブンの温度、時間を設定し、パンを焼く。
- 焼き上がったパンを、網棚状のラックに並べて自然放冷、または温度、湿度をコントロールした冷却工程によって冷却する。
- パンが冷めた後、中身を詰めたり、表面を飾ったりして仕上げる。
- カレーパンやドーナツを専用フライ油脂で揚げる。
- 出来上がったパンを包装し、出荷あるいは店頭に並べる。
- 異物混入や包装不良などの不具合を、目視や機械で確認する。
- 工場や調理場、店舗の清掃をする。
- 機械や調理器具を洗浄する。
- 小麦粉などの原料を発注し、管理する。
- パンの新商品を開発する。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、食品についての基礎的な知識を持っていることが望まれる。パンは種類によって原料配合や製造方法が異なるため、パンづくりの技術を習得するにはかなりの実務経験が必要となる。一般的にはパン製造の現場で経験を積んでいく。
機械化された大規模な製パン工場では、製パン工程が分業化されているケースもある。
一般的な製パン工場では入職後、原料の秤量などパン製造の準備工程を担当し、製造するパンの種類や製造の流れを覚えた後、成形や焼き上げの工程を担当して機械の操作を習得し、経験を積むとパンの品質にとって重要な仕込みの工程を担当するようになる。企業によって期間は異なるが、入職後6~7年程度で、本人の適性と能力により「班長・主任」などの現場の監督職に昇進する可能性がある。
また、専門学校などで指定された学科を卒業した人や2年以上実務を経験していれば、厚生労働省の定める技能検定の「パン製造技能士」の受験資格を得ることができ、キャリアアップする際に有利となる。
独立して開業する人もおり、パンを焼く小型のオーブンを設置し、焼きたてのパンを売る店が話題を集めることもある。また、独立開業する場合には、「食品衛生責任者」の資格の取得なども必要である。
この仕事で働く人は、高卒の人が多いと答えています。 job tag がそれぞれの職業で働く人に行った調査(複数回答)によるものです。働く人の実感を示すもので、それぞれの学歴の人の割合ではありません。
就き方
- 専門学校・短大・高専・技能検定: 技能検定 job tag がこの仕事に挙げている技能士の等級:特級パン製造技能士、1級パン製造技能士、2級パン製造技能士。技能検定は職業能力開発促進法に基づく国家検定です。; 専門学校:製菓・製パン(衛生関係) 専修学校の「製菓・製パン」の課程は、2024年度の卒業生が5,269人で、そのうち4,127人が関連分野に就職しました(令和7年度学校基本調査 第237表)。課程と職業の対応付けは Peernovo によるものです。
給与 · 求人の状況 · AIとこの職業
- 平均年収:¥3,967,400 民間企業だけ(常用労働者10人以上の事業所)の数値です。公立学校の教員や警察官などの公務員は含まれません。
- 月の所定内給与(残業代と賞与を除く):中央値は¥225,900で、中間の半数の人は月¥191,700〜¥281,900です。
- 賃金構造基本統計調査の職種「食料品・飲料・たばこ製造従事者」の数値です
- ハローワークの有効求人倍率は1.70倍です(2025年)。 将来の予測ではなく、いまの求人の状況を示す数値です。ハローワークに登録された求人と求職者だけを数えたもので、大卒や専門職の採用の多くはハローワークを通りません。
- 国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
労働条件の特徴
ホームベーカリーやパン製造工場以外にも、菓子製造業や大きなホテル、デパート、スーパー等の中にパンをつくる部門を持っているところがある。
大規模な工場ではパン製造工程が細かく分けられるなど作業が単純化しており、パートタイマーも多い。
パンの製造は、仕込みから包装まで長時間かかるため、早朝から深夜までの作業が必要となる場合もあり、勤務は交替制を採ることもある。屋内での立ち作業が中心で、機械化の進んでいない小規模なベーカリーでは、パンを焼く作業では高温の環境で仕事をするなど、ある程度の体力が必要である。
大規模な製パン工場では機械化が進み、機械の監視作業などが中心となっている。小規模なベーカリーでは、洋菓子製造などと兼業し店の特色を出すケースもある。
関連する職業
よくある質問
パン製造、パン職人になるにはどうすればいいですか?
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、食品についての基礎的な知識を持っていることが望まれる。パンは種類によって原料配合や製造方法が異なるため、パンづくりの技術を習得するにはかなりの実務経験が必要となる。一般的にはパン製造の現場で経験を積んでいく。
日本でのパン製造、パン職人の収入はどのくらいですか?
民間企業での平均年収は、賞与を含めて¥3,967,400です(厚生労働省)。 この数値は、いくつかの職業を含む賃金構造基本統計調査の職種「食料品・飲料・たばこ製造従事者」のものです。
パン製造、パン職人になるには学位が必要ですか?
通常は必要ありません。この職業が属する国勢調査の職業分類で大卒以上の人は13%にとどまります。主な就き方:技能検定、専門学校:製菓・製パン(衛生関係)。
AIによってパン製造、パン職人の仕事は変わりますか?
国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
出典
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」令和7年、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 総務省統計局「令和2年国勢調査」抽出詳細集計、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)職業情報データベース ダウンロードデータ(解説系 ver.7.01、簡易版数値系 ver.7.00)、職業情報提供サイト(job tag)、2026年10月4日取得
- International Labour Organization, Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure (ILO Working Paper 140, Gmyrek et al.)(ILO Working Paper 140, May 2025, Annex Table A1)、CC BY 4.0、2026年10月4日取得
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ(IPD_DL_description_7_01.xlsx)ver.7.01 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ(IPD_DL_numeric_7_00.xlsx)ver.7.00 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を加工して作成
出典:総務省統計局「令和2年国勢調査」を加工して作成
出典:文部科学省「令和7年度学校基本調査」を加工して作成
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」を加工して作成
出典:総務省「日本標準職業分類(平成21年12月告示)」
2026年10月4日更新
