訪問介護のサービス提供責任者になるには
別名: サ責, サービス提供責任者
訪問介護が適切に行われるよう、サービス内容の管理について必要な業務等を行う。
仕事内容
訪問介護が適切に行われるよう、サービス内容の管理について必要な業務等を行う。「サ責」と呼ばれることもある。
サービス提供責任者の仕事は多岐にわたるが、重要な仕事のひとつとして、訪問介護計画の作成が挙げられる。介護支援専門員(ケアマネジャー) が作成した居宅サービス計画(ケアプラン)や利用者の日常生活全般の状況及び希望を踏まえて、担当する訪問介護員 等の氏名、提供する介護サービス内容など具体的に記載して作成する。利用者への訪問介護サービスの提供はこの計画書に沿って提供される。
サービス提供が開始された後も、定期的に利用者やその家族と面談を行うなど、利用者の状態変化やサービスへの意向を定期的に把握する。また、利用者本人や家族、介護支援専門員等とともにサービス担当者会議に出席し、利用者の心身の状態及び生活の状況や他の保健医療サービス又は福祉サービスの利用状況等の把握や必要な情報提供を行い、関係機関との連携も図っていく。
その他、サービス提供責任者の業務内容の例としては、サービスの提供にあたっての利用者に関する情報や留意事項の訪問介護員への伝達、経験の少ない訪問介護員等との同行訪問およびサービスの提供や現場での指示などが挙げられる。また、自ら訪問介護員等として利用者を訪問することも少なくない。
事業所の事務作業を担当することもあり、パソコンを使って文書や集計表等を作成するほか、サービス提供実績のとりまとめや介護報酬の請求に関する作業を行う。近年は介護業務の事務処理用に作られた専用のソフトウェアを使用していることもある。パソコンのほか、スマートフォンやタブレットを用いて、連絡やサービスの提供の記録が行われている事業所もある。
人手不足の業界であるため、業務量が多くなりがちであること、クレーム対応や調整など精神的にも大変な部分がある。一方で、介護が必要であっても自宅等に住み続けたいという利用者の希望に沿うことができ、本人やその家族から感謝されること、サービスの提供を通して自らも新しい知識やスキルを身につけていけることがこの仕事の魅力である。
◇よく使う道具、機材、情報技術
パソコン、表計算ソフト、文書作成ソフト、タブレット、スマートフォン
主な業務
- 訪問介護サービス利用希望者の自宅あるいは居住施設を訪問し、利用者、家族から話を聞き、利用者の現状、課題、必要なサービスに関する情報を集める(アセスメント)。
- 利用者、家族、介護支援専門員(ケアマネジャー)、リハビリ担当者、福祉用具事業所担当者等からなるサービス担当者会議に出席し、提供するサービス内容に関する確認と話し合いを行う。
- 介護支援専門員が作成した居宅サービス計画(ケアプラン)や利用者の日常生活全般の状況及び希望を踏まえて、訪問介護計画を作成する。
- 訪問介護計画書に沿って、訪問介護員(ホームヘルパー)のスケジュール調整と割当てを行う。
- 訪問介護員へサービスの提供にあたっての利用者に関する情報や留意事項を伝達する。
- 経験の少ない訪問介護員等と同行訪問し、サービスの提供や現場での指示を行う。
- 自らも訪問介護員として利用者宅で身体介助、生活援助、通院等乗降介助等のサービス提供を行う。
- 定期的に利用者宅を訪問したり、訪問介護員への聴き取りを通して、利用者の現状や課題、目標の進捗状況を把握する(モニタリング)。
- 利用者の状況の変化に応じて、提供するサービス内容の見直し、訪問介護計画書の変更を行う。
- 介護サービス提供に関する問題点や課題が明らかになった場合、改善に向けた処置をする。
- 訪問介護員の毎月のサービス提供実績を取りまとめ、実施報告書を作成する。
- 新規に訪問介護サービス提供責任者になった者や訪問介護員に対して技術指導、研修や支援を行う。
なるには
新卒採用でサービス提供責任者の職に就くケースは少なく、多くは介護の現場で経験を積んだ上で任用されている。就くための資格要件は、介護福祉士、介護福祉士実務者研修修了者、旧介護職員基礎研修修了者、旧ホームヘルパー1級課程修了者である。
サービス提供責任者としての実績を積んだ後は、事業所の管理者になったり、独立して自らの事業所を立ち上げるケースもある。介護支援専門員や介護福祉士の資格をとり、活動の幅を広げることもできる。
サービス提供責任者になるために必要な資質として、介護の知識やスキルはもちろんのこと、利用者の状態やニーズを正確に把握し、適切な支援を見抜く観察力や緊急時等に速やかな対応するための判断力があげられる。また、利用者、その家族、介護支援専門員、訪問介護員 等など多くの人々との関わりや調整を円滑に行えるようなコミュニケーション力、状況に合わせて臨機応変に物事を調整する柔軟性が求められる。また、事務処理を行う場合には、表計算や文書作成ソフトの知識とスキルが必要となる。
この仕事で働く人は、高卒、専門学校卒、または大卒の人が多いと答えています。 job tag がそれぞれの職業で働く人に行った調査(複数回答)によるものです。働く人の実感を示すもので、それぞれの学歴の人の割合ではありません。
就き方
- 大学: 社会福祉・コミュニティの学位, 日本の82校の大学で開講
- 専門学校・短大・高専・技能検定: 短期大学 job tag の調査では、この仕事で働く人の25%が短大卒の人が多いと答えています。2025年3月に短大を卒業して「その他の専門的職業」に就職した人は6,442人で、学科別では教育93%でした(令和7年度学校基本調査 第103表)。; 専門学校:介護福祉(教育・社会福祉関係) 専修学校の「介護福祉」の課程は、2024年度の卒業生が4,119人で、そのうち3,895人が関連分野に就職しました(令和7年度学校基本調査 第237表)。課程と職業の対応付けは Peernovo によるものです。
- 国家資格・免許: job tag がこの仕事の関連資格として挙げている資格です:介護福祉士。
給与 · 求人の状況 · AIとこの職業
- 平均年収:¥4,413,400 民間企業だけ(常用労働者10人以上の事業所)の数値です。公立学校の教員や警察官などの公務員は含まれません。
- 月の所定内給与(残業代と賞与を除く):中央値は¥289,900で、中間の半数の人は月¥257,300〜¥334,500です。
- 賃金構造基本統計調査の職種「介護支援専門員(ケアマネージャー)」の数値です
- ハローワークの有効求人倍率は2.67倍です(2025年)。 将来の予測ではなく、いまの求人の状況を示す数値です。ハローワークに登録された求人と求職者だけを数えたもので、大卒や専門職の採用の多くはハローワークを通りません。
- 国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
労働条件の特徴
主な就業場所は事務所や利用者の自宅等(有料老人ホーム 、サービス付き高齢者向け住宅 等を含む)である。勤務時間は平日の日勤が基本だが、事業所や雇用形態によって早朝や夜間、土日や祝日に出勤するなど変則的な勤務になることもある。
サービス提供責任者は、原則、常勤の役職であり、多くは正社員である。ただし、事業所によっては非常勤の場合もある。就業者の年齢範囲は事業所や介護サービス利用者の属性により違いはあるものの、平均すると40歳代と50歳代で56.9%を占める。男女比は2:8で女性が多い(*1)。
*1 介護労働安定センター2025「令和6年度介護労働実態調査結果」
関連する職業
よくある質問
訪問介護のサービス提供責任者になるにはどうすればいいですか?
新卒採用でサービス提供責任者の職に就くケースは少なく、多くは介護の現場で経験を積んだ上で任用されている。就くための資格要件は、介護福祉士、介護福祉士実務者研修修了者、旧介護職員基礎研修修了者、旧ホームヘルパー1級課程修了者である。
日本での訪問介護のサービス提供責任者の収入はどのくらいですか?
民間企業での平均年収は、賞与を含めて¥4,413,400です(厚生労働省)。 この数値は、いくつかの職業を含む賃金構造基本統計調査の職種「介護支援専門員(ケアマネージャー)」のものです。
訪問介護のサービス提供責任者になるには学位が必要ですか?
必ずしも必要ではありません。この職業が属する国勢調査の職業分類では、働く人の42%が大卒以上です。主な就き方:社会福祉・コミュニティの学位、短期大学、専門学校:介護福祉(教育・社会福祉関係)。
AIによって訪問介護のサービス提供責任者の仕事は変わりますか?
国際労働機関(ILO)の世界推計によると、生成AIがこの仕事でできることは比較的少ないとされています。
出典
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」令和7年、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 総務省統計局「令和2年国勢調査」抽出詳細集計、政府標準利用規約(第2.0版)、2026年10月4日取得
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)職業情報データベース ダウンロードデータ(解説系 ver.7.01、簡易版数値系 ver.7.00)、職業情報提供サイト(job tag)、2026年10月4日取得
- International Labour Organization, Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure (ILO Working Paper 140, Gmyrek et al.)(ILO Working Paper 140, May 2025, Annex Table A1)、CC BY 4.0、2026年10月4日取得
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ(IPD_DL_description_7_01.xlsx)ver.7.01 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成 職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ(IPD_DL_numeric_7_00.xlsx)ver.7.00 職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月4日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を加工して作成
出典:総務省統計局「令和2年国勢調査」を加工して作成
出典:文部科学省「令和7年度学校基本調査」を加工して作成
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」を加工して作成
出典:総務省「日本標準職業分類(平成21年12月告示)」
2026年10月4日更新
